ハノイ都市鉄道(ハノイメトロ)は、2021年に370億VND(約2.1億円)の赤字を計上したが、2022年には970億VND(約5.6億円)近くの黒字となった。
監査済みの会計報告書によれば、2022年にハノイメトロは前年の約7倍となる4830億VND(27.7億円)の売上を達成した。このうち、切符の売上は658億VND(約3.8億円)で前年から12.5倍増加した。ハノイメトロの売上が2022年に大幅に増加したのは、2021年のハノイメトロの有料運行が11月から介したことが主な原因だ。
2022年にハノイメトロは2021年の6.6倍となる4170億VND(約24億円)の補助金収入があったため、同社は赤字状態から抜け出した。
ハノイメトロのコスト構造では、減価償却費が2250億VND(約13億円)で全体の60%を占めている。次いで人件費が昨年の2倍近い994億VND(約5.7億円)となり、外部購入サービス費用が600億VND(約3.4億円)弱となっている。
全ての経費を差し引いた後、ハノイメトロは968億VNDの税引き前利益を計上した。そのため、2022年12月31日までの累積赤字額は2021年末時点の1600億VND(約9.2億円)から368億VND(約2.1億円)まで減少した。
2022年半ばごろに、ハノイメトロはハノイ市からの補助金が入れば財務状況は確実に好転すると述べていた。その理由は、ハノイ市からの補助金は売上が経費を賄えない部分を補填するだけでなく、法令の範囲内で利益にも計上できるからだ。
現在、ハノイメトロはバスと並ぶ市内の公共交通機関であり、利用者を増やし、個人の交通手段を減らして交通渋滞を緩和するとともに環境汚染を防ぐため、補助金を前提に安価な運賃をハノイ市が決定している。
現在のカットリン-ハドン間の初乗り運賃は8000VND(約46円)で終点までの運賃が1万5000VND(約86円)となっている。1日乗り放題チケット価格が3万VND(約170円)で、1か月定期券は通常料金が20万VND(約1150円)、学生と工場労働者用定期券が10万VND(約570円)となっている。
昨年9月以降は高い需要に対応するために列車を2本増やし、9本とした。これによってピーク時にの列車の本数は、以前の10分おきから6分おきに変更されている。
カットリン-ハドン路線は、全長13㎞で12の駅がある。列車は4両編成で最大定員数は960人、最高速度は80㎞/hとなっている。始発から終点までの所要時間は約23分。
ハノイメトロは、2023年の利益目標を59億VND(約3400万円)と非常に控えめに計画しているが、売上高は昨年から7%増の5190億VND(約30億円)に達する可能性があり、このうち切符の売上は740億VND(約4.2億円)に達するとみられている。ハノイメトロでは、2023年には延べ1060万人以上が列車を利用するとみている。
出典:08/05/2023 VNEXPRESS
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