最近になって多くの消費者が、テト前にFacebookを中心としたSNS上の商品販売詐欺に騙されたと声を上げている。詐欺にあった商品の代表的なものはシーフード、ツバメの巣、ブランド品などで、広告には『バーゲン価格』、『品質保証』などの文言が記載されていた。
こういったSNS上の取引では多くの場合、購入者側がデポジットを支払う必要があるが、実際に商品が送られてくるとツバメの巣のはずがゼリーだったり、蟹のはずが氷の塊だったりする。
販売後は、Facebookをブロック
ホーチミン市ビンタイン区在住のリンさんは、テトの帰省に向けてシーフードを準備しようと思い、Facebookの海産物販売専門ページを調べて回った。その時にある販売ページで客の信頼を得るために新鮮なカニや魚の動画を載せているページを見つけた。
「そのページの写真や動画を見て、コンタクトを取ってみたところ対応も凄く親切な感じだったので、私はそこで蟹と魚を注文しました」とリンさんは話す。商品と価格について合意した後、店側はリンさんにデポジットとして50万VNDを先に支払うように要求した。その後、発送の準備が整うと店側から生鮮品なので残金の200万VND弱を先に送金してくださいという連絡があった。
リンさんは言われたとおりに支払いを済ませて商品の到着を楽しみに待っていた。ところが届いた商品を開けてみると氷の塊しか入っていなかった。怒ったリンさんは、店のフェイフブックページに連絡してクレームしたが、店側からはそんなことはしてませんという反論が来ただけだった。リンさんが調べてみると同じような被害にあった人が何人もおり、クレームをするとすぐにブロックされていたことが分かった。
同様の詐欺で使用されるもう一つアイテムがテト時期に人気の高くなるツバメの巣だ。多くの消費者は、フォロワーが多くて、販売店の住所や電話番号が明記されている店を選んで購入するが、この程度の情報で詐欺を防ぐことは難しいのが現実だ。
フーニョン区在住のフーさんは、長年ツバメの巣を購入してきたがそれでも、Facebook上の販売ページに騙されて、ただのキノコが送られてきた。「Facebookのページで見るとツバメの巣が70%オフで販売されてました。商品画像をみるといかにも本当に商品があるようでした。私はきっと在庫の一掃セールだろうと思って注文してみたんです。でも、キノコが届いて私がクレームをすると店側は私のフェイスブックをブロックしてしまいました」とフーさんは話す。
SNSを通じたツバメの巣の詐欺販売は、被害者も多くキノコが送られてきたり寒天ゼリーが送られてきたりする。多くの場合、客側は店が間違えたと思って、店に連絡するが店からは反論されるかブロックされて終わりとなっている。
SNSでの購入には注意が必用
ベトナムEコマース協会(Vecom)によると、SNSを通じた販売は、低コストで効果的な販売チャンネルとして個人だけでなく企業も活用しており、ここ数年で着実に増加してきている。ただし、SNSを通じた商品販売の詐欺被害も、他のEコマースに比べて飛躍的に増加してきている。
専門家によると、Facebookで詐欺被害にあわないためには、購入者側もある程度の知識を身につける必要があるとしている。例えば販売されている商品が一般のお店の価格よりあまりにも安いと感じた場合、購入する前にもう一度よく内容を確認する必要がある。商品が安すぎるにもかかわらず写真が非常にきれいな場合、詐欺を疑った方がいい。
また、商品の先払いをしても売り手の正確な情報が無ければ、詐欺にあったと気付いてから売り手を特定することは非常に難しい。詐欺被害にあわないためには、よく知らない相手や商品の品質を確認することが難しい場合には、SNSでの取引は避けた方が良い。
ホーチミン市のブー・クアン・ドゥック弁護士によると、現在多くの人がFacebookを主要なショッピングチャンネルとみなすようになってきている。しかし、多くの場合、売り手と買い手には何の面識もなくFacebook上での取引には高いリスクが潜んでいることを認識しなければならないと指摘する。
「SNSによって、人々は従来の電話や手紙などの通信手段に比べてより簡単に様々な人とつながることができるようになりました。しかし、よく知らない人との取引や多額の送金などをおこなう場合は、よく注意する必要があります」とドゥック弁護士は注意を促した。
出典:28/02/2021 TUOI TRE
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