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~現場医療者に聞く~
海外健康の最前線Vol.01
企業によって意外と違う!?
赴任者と家族の健康ケア潮流

 今号から、海外赴任者と帯同家族を取り巻く健康医療支援の最前線をお届けします。SaveExpatsの岩田です。第1回目のテーマは、企業ごとに意外と異なる健康ケア体制とその課題です。

 赴任者が数百名規模の企業もあれば、数名~数十名の企業もあります。業種や派遣国によって求められる健康ケア体制は多種多様であり、限られたリソースの中で体制を模索している現地責任者の方も多い印象です。

 さらに、コロナ禍を経て、持病管理やメンタル支援など、健康ケアにまつわる課題が一層注目されています。

 渡航に関連した医療全般を対象とする日本渡航医学会。その産業保健分野でも議論されている主なトレンドには、「赴任者の高齢化と健康リスク」、「心脳血管疾患等の重症疾患予防」、「帯同家族を含めたメンタルケア」があります。

 さらに「医療水準が低い地域への派遣」、加えて「海外医療保険の値上がり」が企業負担を圧迫。本社負担と現地負担で対応が分かれ、課題は複雑化しています。

 では、どのように自社に合ったケア体制を構築すれば良いのか。赴任前の現地医療環境の教育、適切な医療保険補償額の設定、医療アシスタンスの活用などがあり、持病管理や帯同家族の個別ケア、赴任前/中健診と適性評価もあって、一つ一つの取り組みが、社員と家族の心と体の健康を守る鍵となります。

 次号以降は、医師、産業医、保健師、心理カウンセラーといった海外勤務者支援のプロフェッショナルが、具体的な事例や対策を交えて毎月トピックを深掘りしていきます。ぜひご期待ください。

岩田竜馬 Ryuma Iwata
SaveExpats代表取締役。プラント建設会社で中東、アジア、ロシア等の資源開発に従事。約10年の駐在中に上司と同僚を現地で亡くす。「国を問わず安心して働ける世の中」を目指し、SaveExpatsを設立。