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早わかり!ベトナム法律事情 Vol.66
未消化の休暇は賃金で清算?
ベトナム労働法の年次休暇

長島・大野・常松法律事務所ホーチミン・オフィス Duong Thi Huynh Chi

―― 弊社では、一定の従業員の年末までの年次休暇がまだ残っており、年末に休暇申請が多いのですが、この時期は非常に忙しくて十分に休暇を取らせることができません。休暇の取得に代えて賃金の支払で清算できるのでしょうか?

チー ベトナムの労働法では、従業員が退職または合併等により失業する場合、未消化の年次休暇を賃金の支払で代えることができる旨が定められています。ただ、その他の場合に休暇の取得を賃金の支払で代えられるかについては、法令上、必ずしも明確ではありません。

―― 休暇の取得を賃金の支払で清算した会社に対して罰則はあるのでしょうか?

チー 使用者が賃金の支払をもって年次休暇を清算し、当局がそれを労働法上許容されないものと判断して指摘を受けた場合、「年次休暇に関する条項に違反する行為」に該当し、使用者に対して4000万VND(約24万円)までの罰金を科せられる可能性があります。

―― 弊社の状況を解決する方法はないのでしょうか?

チー 労働法上、使用者は、従業員の意見を参考にして年次休暇の日程表を定め、事前に労働者に通知する必要がある旨が定められています。年次休暇の日程表を作成して、従業員が年末までに年次休暇を全て消化するように管理することが有効です。

 また実務上、「年次休暇を翌年に繰り越すことができる」との旨を就業規則で定めることを、当局が認める場合があります。年内に使い切れなかった年次休暇を翌年に繰り越すことができるように、就業規則を改定することも検討の余地があります。

Duong Thi Huynh Chi ユオン・ティ・フィン・チー
長島・大野・常松法律事務所ホーチミン・オフィスに勤務するベトナム弁護士。2018年ホーチミン市法科大学卒業。現在はベトナム弁護士として日系企業に法的アドバイスを提供している。