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【経済】水産品の輸出は下半期に回復するか?

(C) VNEXPRESS

2023年1月から5月までのベトナムの水産品輸出額は、前年比30%減となったが、下半期にはアメリカとEUの購買力が戻ることが期待されている。

5月下旬に仲買業者がソクチャン省のバン・トゥーさんの養殖池からバナメイエビの稚魚を1㎏(101~150匹)あたり6万5000VNDで購入した。トゥさんによればこの価格は、54日間の養殖経費を考慮すると赤字ギリギリの金額だ。「最近この辺の養殖業者は皆赤字で、少しでも黒字になった人はラッキーな方です」とトゥーさんは話す。

ソクチャン省とバクリュウ省のエビ養殖池では、エビの価格が過去2か月で急落した。「今のエビの価格はとても不安定です!」とバクリュウ省ヴィンロイ県で20年間エビの養殖事業を手掛けてきたバー・ドゥーンさんは話す。昨年末、養殖エビ1㎏(約30匹)の仲卸価格は20万VNDに達することもあった。

しかしその後、エビの価格は下落を続け現在では、1㎏あたり12万VNDにも届かない。「2013年から2014年のような大当たりの年は、エビの養殖業の利益率は40~50%もありましたが、現在では20~30%あれば御の字です。」とズーンさんは話す。

ベトナム水産品輸出協会(VASEP)の元会長でFimexの会長でもあるホー・クオック・ルック博士は、養殖エビの価格は下がり続けており、特にこの2か月で大幅に下落したと話す。現在、あらゆるサイズのエビの価格が40%程度下落している。

VASEPによれば、今年4月までのエビの輸出額は前年同期比36%減の8億8700万USDとなった。農水産物の市場分析・予測センターであるアグロモニターによれば、この期間のエビの輸出単価と輸出量は、それぞれ9%と29%減少した。この原因は、エクアドルやインドとの熾烈な競争に加えて、世界的に需要が減少していることにあるとされている。

エビと同様パンガシウスも第1四半期の輸出量と輸出額がそれぞれ23%と34%減少した。統計総局のデータによれば、2023年5月までのベトナムの水産品輸出額は約34億USDで、前年同期比で28%減少している。この結果は、水産加工業にかかわる多くの企業に影響を与えている。

VNDirect証券は、輸出価格の下落と輸出量の減少によって、上場している水産加工企業の第1四半期の売上が前年同期比で32%減少したと推測している。生産コストが高止まりしている中で、水産加工業の粗利率は5.1%に減少している。その結果、水産加工企業の純利益は前年同期比で74%も減少している。

ヴィンロイ県では、輸出向けの水産加工業の購買力が依然として弱いとドゥーンさんは話す。現在好調なのは、国内販売用の活けエビ(輸送中に酸素を与えて生きたまま運ばれるエビ)の販売だ。「しかし、国内需要もそれほど大きくはないので、仲介業者は以前のように養殖池を見もせずに全部買うようなことはせず、慎重に選んで購入するようになりました」とトゥーンさんは話す。

今年下半期の見通しについて、VN Direct証券は、アメリカではインフレが落ち着きを見せ始め、在庫が減少し、年末には需要の高いイベントが控えているため、下半期にアメリカの市場が回復すると予測している。これによって下半期のアメリカ向けのベトナムの水産品の輸出額が上半期に比べて40~50%増加する見込みだ。現在、ベトナムの水産加工輸出にとってアメリカは日本について2番目に大きな市場となっている。

「我々は、5月にアメリカ向けのパンガシウスの輸出単価が上昇し、アメリカ国内のインフレが沈静化する兆しを見せていることから、アメリカ市場は回復傾向にあると分析しています」とVN Direct証券の分析チームは述べている。先月のアメリカのCPIは4.9%で過去2年間で最低の伸び率となり、市場の予測も下回った。

EU市場でも購買力は安定してきている。2023年第1四半期のEUへの輸出額は、欧米人が高いインフレによって消費を引き締めている中で、ベトナムのリーズナブルな白身魚を好んで購入したため、4%の減少に留まった。

EUの殆どの国でベトナム産パンガシウスの輸入が増加しており、ルーマニア(36%増)、スウェーデン(53%増)、デンマーク(34%増)、ブルガリア(49%増)など多くの国で2桁成長を記録している。また、元々の輸出量が少なかったドイツ(100%増)、リトビア(429%増)、オランダ(436%増)などでは、3桁の伸び率を記録している。

アグロモニターによれば、第1四半期のEUへのパンガシウスの輸出平均単価は、前年同期比で9.5%増加している。そのため、専門家はEU諸国でのベトナム産パンガシウスの需要は、EU圏内のインフレ率が高止まりしている中で、下半期も安定すると予測している。

中国に関しては、ベトナム産水産加工品の輸出額は期待されたほど伸びておらず、2023年4月までの輸出額は3億6400万USDで、前年同期比30%の減少となった。ベトナムの市場シェアも大幅に減少している。特にエビはエクアドルやインドとの激しい競争にさらされており、中国はベトナムからのエビの輸入を減らす一方で、これらの国からの輸入を増加させている。

2023年下半期に中国人消費者の心理はより慎重になるとみられている。中国のマクロ経済は先行きが不透明なうえに各国との競争にさらされており、VN Direct証券は、今年の下半期の中国への水産加工品の輸出額は上半期同様それほど多くならないと予測している。

しかしながら、中国市場にはまだ希望が残されている。最近になって農業農村開発省は、ベトナムの税関総局と協力して、中国の税関総局に対して果物、水産品を雲南省の国境ゲートを通過して輸出できる品目に追加するよう提案した。

VASEPのレー・ハン広報部長は、中国のマーケットは、春節以降に多少なりとも前向きな動きを見せており、観光業界でも外国人旅行者の増加と共に中国人観光客も増えていると指摘する。今年の夏以降、水産品の輸出が活性化することが期待されている。

出典:12/06/2023 VNEXPRESS
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