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【社会】高齢化社会に向かうベトナム

(C)Tuoi Tre

世界で最も人口の多い国15カ国の中でベトナムは豊富な労働力を擁しているが、急速な高齢化問題に直面していることも事実だ。

第34回目の世界人口デーとなった2023年7月11日に世界の人口は80億人を突破した。国連人口基金(UNFPA)によれば、世界人口は、今も増え続けている。

「世界人口が10億人に達するまでに数十万年かかりましたが、その後わずか200年で、人口は7倍に達しました」とUNFPAは声明の中で述べている。UNFPAの予測では、2030年には世界人口は85億人を突破し、2050年には97億人、2080年には104億人に達するとみられている。

世界的な人口増加傾向と軌を一にしてベトナムも統一から48年間で人口が4700万人から1億人へと2倍以上に増加した。20世紀のベトナムの人口増加率は常に世界平均を上回っていたが、政府の10年間にわたる抜本的な家族計画政策により2000年代初頭以降はこの傾向が逆転した。出生率は低下し、急速に高齢化が進んでいる。UNFPAによれば、ベトナムは世界で最も急速に高齢化が進んでいる国の1つだ。

 人口区分

ベトナム統計総局によれば、ベトナムの人口は今年4月に1億人を突破した。2019年以降ベトナムは世界で最も人口が多い国トップ15を維持しており、この中で人口密度では第6位、一人当たりの年間平均収入では4010USDで第9位となっている。この一人当たりの年間平均収入は世界の中下位グループに属しており、日本の約1/10、アメリカの約1/19だ。

UNFPAによれば、2023年はベトナムが2007年に始まり2039年に終了すると予測されている人口構造黄金期のちょうど中間時点に位置している。労働年齢に達している少なくとも2人の労働者が1人の扶養家族(15歳未満の子供か65歳以上の高齢者)を扶養するようになるとこの段階に入るとされている。この時期、国は豊富な労働力によって経済的メリットを享受することができる。

ベトナムの人口は増加したが、国内の63省と市で発展の質と量は不均一なままだ。生活レベルにはまだ地域間で大きな差がある。それに伴い、農村部から都市部へ人口が流れ、都市部と農村部の人口分布が不均衡になっている。そのため平均収入と平均寿命の地域間格差は、ますます拡大している。

地域別でみると南東部が国内で最も平均収入が高い地域になっている。中でもトップのビンズン省は平均月収が810万VNDで、最下位のハザン省の平均月収210万VNDの約4倍となっている。

東部の6つの省と市は、国内で最も長寿な地域でもある。トップはバリア・ブンタウ省の76.4歳で、最下位のライチャウ省と比べて8.5歳も長い。この北部山岳地帯は人口密度が国内で最も低く53人/㎢しかない。一方で人口密度が最も高いホーチミン市は4481人/㎢で、全国平均の300人/㎢を大幅に上回っている。

黄金期間も残り半分

「人口構造の黄金期間は、各国ごとに1回しかチャンスがありません」と国民経済大学で人口と経済発展を専門に研究しているジャン・タイン・ロン教授は話す。

ベトナムでは、人口が急増した後で1993年から二人っ子政策が奨励されてきた。その後10年で出生率は3.5人から2.1人に急激に減少した。構造が変化し、子供の数が徐々に減少したが、労働人口が大勢を占め、ベトナムは人口構成の黄金期を迎えた。豊富な若い労働力が国の経済を拡大させる原動力になったのだ。

ハーバード大学のデビッド・ブルーム教授の研究によれば、20世紀後半の東アジアの奇跡的な経済成長には労働人口の急増による恩恵が約30%寄与していた。日本と韓国の人口構造黄金期は1963年と1987年に始まった。その後30年で両国の一人当たりの所得は飛躍的に上昇し、それぞれ3万7000USDと3万2000USDに達した。

ただし、全ての国がこれほどの成果を達成できたわけではない。タイの人口構成黄金期は1992年にスタートした。約30年が経過し、この国は高齢化の入り口にさしかかったが、一人当たりの平均所得は7100USDと3倍程度にしか増えなかった。タイは、高所得国の仲間入りすることなく中所得国に停滞する危機を迎えている。

「黄金期間は、単にチャンスにすぎず、もしその国がチャンスを活かす適切な戦略を用いなければ、期待するほどの成功を収めることは難しいでしょう」とロン教授は指摘する。

ベトナムでは2017年に党中央委員会が人口構造の黄金期の活用と高齢化社会への適応を同時に満たす方法は見つかっていないと認めた。その後、人口政策は、これまでの家族計画方針からあらゆる面に包括的に焦点を当て人口構造の黄金期を効果的に活用する方針に方向転換された。

ベトナム政府は今後、残り16年間の黄金期間を有効活用しながら、高齢化社会問題も同時に解決する方法を模索する必要がある。

多くの専門家はベトナムの人口は21世紀後半から減少に転じると予測している。UNFPAによれば、ベトナムの人口は2051年に1億700万人でピークを迎え、その後徐々に減少する。一方でベトナム統計総局は、ベトナムの人口は2066年に1億1700万人でピークに達し、その後、下り坂になると予測している。

統計総局の人口ピーク予測がUNFPAよりも後になっているのは、出生率が減少している一方で、死亡率も低下していることが理由だ。

世界的に見ると男女格差の縮小が出生率の低下につながっている。女性の教育と就職の機会が増えることで、前の世代に比べて出生率が低下している。ベトナムも例外ではない。

2006年にベトナムの合計特殊出生率は、初めて人口置換水準の2.1人を下回り、それ以降2020年と2021年を除いて下回り続けている。この事実を前に、政府の2030年までの人口戦略は、人工置換水準の維持を目標としている。しかし、これまで女性の出生率低下傾向の反転に成功した国は存在しない。

一方で、UNFPAによれば栄養、医療制度、生活条件の改善によりベトナムの幼児死亡率は減少している。1976年当時、ベトナムでは5歳未満の幼児1000人中76人が死亡していた。この数字は、現在1000人中21人まで低下しており、同等の所得水準の国と比べてはるかに低くなっている。これによって、国全体の死亡率も減少している。

それに伴い、ベトナム人の平均寿命も伸びており中上位所得国グループの水準に近付いている。祖国統一時に生まれた子供の平均寿命は65歳だったが、現在は74歳まで伸びている。

これらの要因によってベトナムは高齢化社会の入り口に想定より早く移行しつつある。これは、労働年齢人口が徐々に減少し、高齢者が増加することを意味している。しかし一方で、高所得国入りという目標はまだはるかに遠い。

ベトナムは2015年に65歳以上の人口が全体の7%を超えて高齢化プロセスがスタートした。この数字は現在9%まで上昇しており、ベトナムの高齢者比率は東南アジアで第3位となっているが、平均所得水準は第6位に留まっている。

同時に社会保険システムはまだ目標範囲をカバー出来ていない。ベトナム政府は2025年までに定年退職者の55%に年金を支給したい考えだが、現段階でこの数字は22%強に留まっている。高齢者数が増加し、無年金層が大勢を占めると社会保障制度に大きな圧力がかかるとジャン・タイン・ロン教授は指摘する。

ロン教授は、ベトナムが残りの人口の黄金期間を上手く活用できなければ、さらなる高齢化が進む中でベトナムの経済を急速に成長させることは、非常に困難になると予測している。1億人目の国民の誕生により、ベトナムは2039年に65歳以上が人口の14%以上を占める高齢化社会に突入する前に、様々な課題に早急に取り組む必要がある。

「ベトナムが急速に高齢化している一方で、所得はそれほど向上していないという事実には議論の余地がありません。高齢化社会に突入する前に高所得国入りしなければ、将来発生すると予測されている様々な問題を解決することは難しくなるでしょう」とロン教授は結論付けた。

出典:11/7/2023 VNEXPRESS
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