パンガシウス(淡水のナマズ)市場は、もはやベトナムの”独壇場”ではなくなり、世界の輸出市場の約50%を占めてはいるものの、激しい競争にさらされている。
これは11月17日にドンタップ省で開催された2024年パンガシウス概況会議で明らかにされた内容だ。
農業農村開発省の報告書によれば、2024年のパンガシウス生産量は前年とほぼ同等の160万トンに達する見込みだ。10月15日時点でパンガシウスの輸出金額は15.6億USDに達し、2023年の同時期と比べて8.9%増加したが、他国のパンガシウスや他の白身魚製品との厳しい競争により、伸び率にはばらつきが出ている。
水産局によれば、ベトナムのパンガシウス生産量は、世界全体の42%を占めており、その他にインド、中国、バングラデシュがそれぞれ15~21%を占めている。水産局によればインドのパンガシウス生産量は年々増加傾向にあるが、サイズは非常に小さく主に国内向けに消費されている。中国も7年以上前からパンガシウスの養殖に取り組んでおり、年間生産量は約140万トンに達しているが、その殆どが国内で消費されている。しかし、これは同時にこれらの国でパンガシウスの輸入が減少していることも意味している。
インドネシアの場合は生産量は多くないが、独自のブランドとして中東市場に輸出され、評判を呼んでいる。さらにパンガシウスは、世界の白身魚市場シェアの20%を占めているティラピアやタラなどの他の白身魚とも競合している。
水産局は、パンガシウスの輸出業者に対して品質やグレージング(薄い氷の膜)率を改善し、適切な価格で販売するためにブランドを確立することを推奨している。水産局によれば、タイはパンガシウスの養殖を公表していないが、実際はアメリカ市場に輸出している。2022年にはタイ産パンガシウスの価格は、ベトナムの約半額だったが、2年後には価格が2倍に跳ね上がっている。
市場での競争に加えてパンガシウス養殖は、認定を受けた養殖施設が少ないこと、養殖成功率が低いこと、養殖コストが増加していることなど多くの問題に直面している。
ベトナム水産加工輸出協会(VSEP)によれば、今年のパンガシウスの輸出市場の比率は、2023年から変化している。具体的には中国が2%減少して29%になった一方でアメリカが15%から18%に増加している。この2つの主要市場以外のブラジル、日本、コロンビア、ロシアなど小規模な市場では、輸出量が劇的に増加してきている。
VSEPによれば、日本市場はタンスイナマズにとっては厳しいものがあるが、現在ベトナムはこの市場で刺身製品で成功を収めつつある。
出典:2024/11/18 VNEXPRESS提供
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