ハノイ、バクニン省、タイグエン省などの北部各省の年間平均PM2.5指数は、2019年以降常に基準値を上回っている。
11月14日、天然資源環境省とハノイ市人民委員会は、ベトナムの大都市における大気汚染問題解決策導入促進に関する会議を開催した。
天然資源環境省環境汚染管理局のレ・ホアイ・ナム次長は、2019年から現在までのモニタリング結果から、ハノイ市、ハイフォン市、バクニン省、ハイズン省など都市部で大気汚染が深刻な状況にあると述べた。
大気汚染問題の中でも最も深刻なのが粒子状物質だ。2022年から2023年のモニタリング結果では、ハノイ市、バクニン省、タイグエン省のいずれもが年間平均PM2.5指数が基準値を超えた。ハノイのPM2.5 は26~52µg/N㎥となっており、基準値の1.1~2.1倍となっている。
2024年にはハノイで4回の重度環境汚染が記録され、そのうち3回が1月から4月にかけてで、1回が10月初旬だった。
通常、大気汚染が悪化するのは10月から翌年3月にかけてだ。その理由としては、北部が冬に入り雨量が少なく、穏やかな天候で気温が下がるなどの気象条件によって粒子状物質の拡散が妨げられ、大気が汚染されるからだ。もう一つの大気汚染原因は、交通車両の排気ガスや工場、建設現場などの排気とされている。
ハノイ市天然資源環境局のグエン・ミン・タン副局長もハノイ市と専門家によるモニタリングの結果からハノイ市の大気汚染は、PM2.5とPM10が引き起こしていると述べた。大気汚染は、人体に健康被害を及ぼすと考えられている。例えば、PM2.5の悪化によって、毎年平均約1100人が心血管疾患によって、約3000人が呼吸器疾患によって入院しているとみられている。
「PM10とPM2.5の濃度が10㎍/㎥増加するごとにハノイの子供達の呼吸器関連疾患の入院患者数はそれぞれ1.4%と2.2%増加します」とタン副強調は述べ、2011年から2015年には、大気汚染によってハノイ市民の収入が約20%減少したと付け加えた。
ハノイ市天然資源環境局のタン副局長は、ハノイ市の大気汚染を改善策として、主な発生源である交通車両に焦点を当てている。その中で、ハノイ市は、低排気ガス地区(交通車両の通行制限地区)を設置し、道路の清掃予算を増加させ、交通渋滞緩和のための交通規制、公共交通機関への転換に向けた投資などを計画している。
タン副局長は、ハノイの大気汚染の原因が近隣の省からきている可能性もあればその逆の可能性もあると述べ、天然資源環境省に対して、ハノイ市と近隣の省が環境に関するデータを相互に参照できる体制を構築し、同時に地域間の大気汚染問題に対処するための共同作業プログラムを開発するように提案した。
天然資源環境省のドー・ドゥック・ズイ大臣は、大都市の大気汚染レベルは過去10年で深刻なレベルにまで悪化したと述べた。この現実を踏まえ、大気汚染管理を強化し、市民の健康への悪影響を最低限に抑え、社会経済発展を促進するための対策を早急に実施する必要がある。
「大気汚染は、行政区分に従うわけではなくそれぞれの省庁や自治体が個別に責任を負うべきものでもありません。大気環境の保護は、社会全体の責任なのです」とズイ大臣は述べている。
出典:2024/11/14 VNEXPRESS提供
上記記事を許可を得て翻訳・編集して掲載