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【法律】ベトナム財務省、定額税の廃止を提案|家族経営に法人化促す

家族経営の食堂
(C)THANH NIEN

家族経営事業者の企業化を後押し

ベトナム財務省はこのほど、「定額税(thuế khoán)」制度の撤廃を提案した。これは、現在定額税の適用を受けている家族経営の小規模事業者(hộ kinh doanh)に対し、法人化を促進することを目的とした措置だ。

定額税制度の限界と見直しの背景

現行の定額税制度は、売上高や業種、所在地に基づいて各税務機関が定額で税額を決定するもので、主に家族経営の小規模事業者を対象としてきた。しかし、財務省はこの制度について、「徴税の公平性や透明性に欠け、長期的な税制改革の方向性にも適合しない」と指摘している。

約500万の家族経営事業者が影響を受ける見通し

財務省の統計によれば、ベトナム全土で約500万の家族経営事業者が定額税の対象となっている。今回の改革案が実現すれば、これらの事業者が法人格を取得し、企業として正式に登録する流れが促進されることが期待されている。

法人化により、金融アクセスの向上、契約上の信頼性確保、税制上の優遇措置の適用といった利点が得られる一方で、会計・申告義務の煩雑さや新たな税負担が課題となる可能性もある。

政策の実施時期と今後の見通し

財務省は本提案を、現在策定中の税制改革計画(2025〜2030年)に盛り込む意向を示しており、今後国会や関連省庁との調整が進められる見通しだ。

この改革が実施されれば、ベトナムにおける事業形態の大きな転換点となり、非公式経済の縮小や税収基盤の拡大にもつながることが期待されている。

【注釈】

家族経営事業者(hộ kinh doanh|ホーキンゾアン)とは?

ベトナムにおける「hộ kinh doanh」とは、家族や個人で営む小規模な事業体を指し、法人格を持たず簡易な登録で営業が可能となっている。店舗経営や小売業、サービス業など幅広い業種が認められているが、従業員数や年間売上に一定の制限がある。

定額税(thuế khoán|トゥエコアン)とは?

ベトナムの定額税(thuế khoán)とは、家族経営事業者などに対して課されるベトナムの簡易税制の一つで、実際の売上や利益ではなく、あらかじめ税務当局が定めた一定額を納税する制度。課税の簡略化には有効とされるが、実態との乖離や不公平の温床とされてきた。

※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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