記録的な大雨で山間部が水没
ベトナム中北部のゲアン省で7月22日夜、大規模な洪水が発生した。猛烈な雨と上流からの大量の水により、山間部の複数の村が深刻な浸水被害に見舞われた。近隣の住民は深夜に荷物をまとめ、慌ただしく避難に追われた。
バンベー水力発電ダム、記録的水量に達する
ゲアン省人民委員会は22日21時、緊急通知を発出し、バンベー水力発電ダムの上流からの流入水量が1秒あたり9543㎥に達し、想定される最大洪水水位に迫る勢いだと警告した。
専門家らによれば、同ダムへのこの流入水量は過去類を見ない規模であり、深刻な事態が想定される。これを受けてダムでは、下流への放水量を秒間1727立方メートルとし、今後さらに増加させる見込みだという。
夜通し続く避難指示、深夜の水位急上昇に追われる住民
ゲアン省当局は、夜間にもかかわらず下流の市町村に対し、家族や財産を安全な場所に避難させるよう指示した。
特に、ラオスからの流入河川ナムモー川沿いの高地では急激な増水が起き、旧キソン郡のムオンセン村では多くの民家が2〜3メートルの深さまで浸水した。避難が間に合わず家財を失ったケースもでている。
地元党委員会書記のグエン・ビエット・フン氏によると、同地域の住民は事前に避難しており、人的被害は発生していないという。しかし、国道7号線は依然として冠水状態が続いており、一部では水深が1.5メートルに達している。
寝台バスが立ち往生、救助要請もアクセス困難
ムオンセン村では、約20人の乗客を乗せた寝台バスが国道7号上で土砂崩れと冠水により立ち往生した。夜間で大雨が続く中、土砂災害の懸念もあり、バス会社は救助を要請したものの、救援隊でも現場への接近が困難だった。最終的に、安全確保の指示を受けたうえで、翌朝には全員が無事であることが確認された。
7集落が浸水、アクセス困難な状態に
ミーリー村でも大雨と上流からの流入水により、川沿いの7つの集落が冠水し、約20軒の家屋(主に高床式住居)が屋根まで浸水した。大雨と道路の崩落、冠水により、地方行政や救援隊の接近は極めて困難な状況となっている。
トゥーンズーン村の党委員会書記であるレー・バン・ルオン氏は、バンベー水力発電ダムが緊急放水を開始したことにより、水位が急激に上昇したと説明した。現地では深夜から緊急避難が行われており、今朝までに数百軒が浸水、国道7号線も依然として分断された状態にあるという。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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