スマートフォンの対米輸出、インド44%・ベトナム30%で中国を上回る
インド・ベトナムがスマホ輸出で中国を抜く
アメリカのCNBCが調査会社Canalysの最新レポートを引用して報じたところによると、インドとベトナムは2025年第2四半期、米国向けスマートフォン輸出で中国を初めて上回った。これは、米中間の貿易摩擦と関税強化を背景に、各社がサプライチェーンを「脱中国」へと移行させていることを示すものである。
インドから米国へ輸出されたスマートフォンは、2024年同期の13%から今年は44%に急増。一方、中国の輸出シェアは前年の61%から25%に急落した。ベトナムのシェアは30%となり、こちらも中国を上回る結果となった。
Appleがインド移転を加速、背景に米中対立
この急増の主因として、Canalysのアナリストであるサンヤム・チャウラシア氏は「Appleが米中貿易摩擦の高まりを受けて、インドへの生産移管を急速に進めたことが要因だ」と指摘している。
実際、Appleは今後数年でiPhoneの約4分の1をインドで生産する計画を進めており、2025年内には米国市場向けの多くがインド製になる見通しである。
米国内生産は非現実的、高関税リスクに揺れる業界
米国のドナルド・トランプ大統領は、Appleに対し「国外生産の製品に対して追加関税を課す可能性」を示唆していたが、アナリストらは「iPhoneの国内生産はコスト上昇につながり、現実的ではない」と見ている。現在、Appleの主力製品は「相互関税」の対象から一時的に除外されているが、この優遇措置がいつまで続くかは不透明である。
ベトナムも戦略的地位を確立、Samsungなどが移転加速
Appleのみならず、Samsung ElectronicsやMotorolaといった他の大手企業も、組立工場を中国からインドやベトナムに移している。
ベトナムは安定した製造品質とインフラで、特に電子機器の組立において高い評価を得ている。実際、Canalysによれば「インドの工場では依然として製品の合格率が中国やベトナムより低い」との報告もある。
関税圧力とAI競争がApple株に影を落とす
2025年4月には、トランプ大統領がインドからの輸入品に26%の関税を課す方針を示した。これは同時期の中国への「三桁関税」に比べれば抑えられているが、業界は今後の税制リスクに警戒を強めている。
こうした不安要素に加え、スマホ市場およびAI分野における競争激化も影響し、Apple株は2025年に入ってから14%下落した。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
ベトナム進出支援LAI VIEN