ベトナムの財務省は、個人事業主の所得税を利益に対して17%課す新たなルールを提案した。専門家らは、これが個人事業者の法人化を促す重要な一歩になると評価している。
年間2億VND以下は非課税
最新の個人所得税法改正案では、個人事業主の課税方法が見直される。2026年1月1日から「定額課税方式」が廃止され、以下の規定が適用される。
- 年間売上2億VND(約120万円)以下は非課税。
- 年間売上が一定基準を超える場合、利益に対して17%の所得税を課す。課税所得は「売上-必要経費」で算出。
- 小規模事業の場合は業種ごとに売り上げに対する定率課税が適用され、例えば物品販売0.5%、サービス業2%、建設業1.5%、デジタルコンテンツ・広告業5%などとなる。
この仕組みは、2025年10月から施行される改正法人税法において導入予定の「売上3億~50億VNDの中小企業向け法人税率17%」と同じ17%が適用される仕組みとなっている。
専門家「個人事業主は法人化すべき」
ハノイ経営技術大学のグエン・ゴック・トゥ氏は、これまで個人事業主は売上ベースで税を納めていたが、今後は利益課税に移行する点を評価する。「仕入れにインボイスを導入し、経費を透明化する必要があります。法人から仕入れればコストは増えますが、税務上の透明性が高まり、事業の信頼性と持続性が高まるでしょう」と述べた。
ホーチミン市納税コンサルティング協会のグエン・バン・ドゥック氏も「法人と同等の透明性が求められる以上、個人事業主は法人化する方が有利と考えられます」と指摘する。中小企業は設立後3年間の法人税免除など優遇措置を受けられるため、法人化した方がメリットがあるからだ。
法人化のメリットと課題
法人化すれば利益課税や赤字繰越(5年間)、信用力向上といった利点がある一方で、経理・税務体制、社会保険加入、専任の会計人材雇用など追加コストも発生する。専門家らは「コストとメリットを慎重に比較し、事業拡大を見据えて判断すべき」と助言している。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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