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【地域】ホーチミン市内の地盤沈下が深刻化

地盤沈下の影響で階段が沈むホーチミン市内の建物
(C)TUOI TRE

国際機関や研究者の調査によると、ホーチミン市の地盤沈下は急速に進行している。地盤の低下に加え、高潮や豪雨の増加が重なり、多くの地域で深刻な浸水被害が発生し、市民生活や経済・社会活動に影響を及ぼしている。

年間最大8cm沈下する地域も

天然資源・環境大学が8月末に開催したシンポジウムで報告された研究によれば、ホーチミン市の地盤沈下速度は平均で年間2~5cmに達している。
地盤の弱い地域や商業施設が集中するエリアでは年間7~8cm沈下しており、サイゴン川沿い(サイゴン橋からバソン橋まで)や市南部で特に顕著である。

ホーチミン市農業・環境局の2024年11月の報告では、地盤沈下は1990年頃から始まっており、現在の速度は海面上昇(約1cm/年)の2倍に達しているという。2014年と2005年の測量データ比較では、この10年間で平均10cm以上沈下していることが確認された。

沈下地域は旧ビンチャン郡、旧ビンタン区南部、旧8区、旧7区西部、旧2区北西部、旧12区東部、旧トゥードゥック市南西部、旧ニャーベー郡北西部などで、総面積239平方キロメートルに及ぶ。特に旧ビンタン区の文化センターでは10年間で73.3cm、タンタオ工業団地では73.2cm、旧ビンチャン郡の医療センターでも44cmの沈下が確認されている。

沈下と高潮が重なり浸水被害

ホーチミン市天然資源・環境大学のレ・チュン・チョン准教授は、沈下の主因として「南部地域の軟弱地盤、地下水位の低下、交通や建築物による荷重、急速な都市化」を挙げた。

同氏は「地盤沈下は既に避けられない現実であり、都市は長期的な対策を取らざるを得ません。沈下に気候変動や高潮が重なれば、インフラや生活環境、経済発展に深刻な被害をもたらします」と警告した。

さらに「ホーチミン市が対策を怠れば、数年後にはジャカルタのようになります。インドネシアは沈下のため首都をヌサンタラへ移転しましたが、ホーチミン市の沈下速度はすでにジャカルタを上回っています」と述べた。

同氏は「この問題は極めて深刻で、今後の行動計画に必ず組み込むべきです。早急に適切な対応をしなければ、浸水は常態化し被害も拡大するでしょう」と強調した。

都市計画と予測システムの必要性

このため、地盤沈下・高潮・海面上昇に適応する都市計画の早急な見直しが求められている。さらに、地表変動のシミュレーションや予測システムを導入することで、タイムリーかつ正確な意思決定を可能にすることが期待されている。

※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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