ベトナム政府は、電子身分認証システム「VNeID」に顔認証技術を組み込み、全国の空港で搭乗手続きをデジタル化するよう指示した。これにより2025年12月1日までに、国内線の乗客は紙の搭乗券や従来の身分証の提示なしで、VNeIDアプリと顔認証だけで搭乗できるようになる
10月までにインフラ整備を完了
政府は10月末までに空港の設備・端末を整備するよう指示した。VNeIDは鉄道駅や駐車場にも順次導入される予定で、航空会社と連携して顔認証登録を行い、チェックインや搭乗ゲートでの認証をスムーズにする。
すでに一部空港で試験運用
同システムは4月中旬からタンソンニャット空港T3ターミナルとノイバイ空港で試験的に導入されている。ベトナム航空は6,000便で約14,000人(1便当たり平均2人が利用)、Vietjet Airは3,000便で約10,000人(1便当たり平均3人が利用)の乗客が利用した。公安省社会秩序行政管理警察局(C06)は、2025年末までに、国内線乗客の70%が自動搭乗ゲートを利用する見込みだとしている。
利便性は高いが、利用者は限定的
乗客からは従来の身分証確認より時間を節約できると好評だが、実際の利用者は少ない。理由として、外国人や子ども、一部乗客がシステム未対応であることや、VNeIDでの手続き方法の理解不足、機器の不具合などが挙げられる。特に、航空会社ごとのシステム統合が進んでおらず、Bamboo AirwaysやVietravel Airlinesでは利用できない場合がある。
今後の課題と展望
政府は利用者への周知、システム統合、機器メンテナンスの徹底を求めている。今後、全空港でVNeIDを活用した紙の搭乗券や従来の身分証の提示なしの搭乗を定着させることで、乗客の利便性向上と空港運営の効率化を図る方針である。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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