ランソン省タンティエン村のバッケー集落にある「バッケー1号水力発電ダム」が、10月7日午後1時30分ごろに決壊した。初期報告によると、現時点での推計被害額は約500億VND(約3億円)にのぼる見通しである。
タンティエン村民間防衛委員会の速報によると、決壊部分の長さは約4〜5メートル、深さは3〜4メートルに達している。
豪雨で流量急増 コンクリート部分が破損
当局によれば、数日にわたる豪雨により流入水量が急増し、最大で毎秒1572立方メートルに達した。このため、取水口付近のコンクリートが一部崩落し、中央制御室が倒壊。室内の設備も損壊した。
なお、現在のところ人的被害は報告されていない。
約100人が避難 下流域でも警戒を呼びかけ
この決壊により、バッケー、ナーソン、ホップルックの3集落が影響を受けた。総世帯数196戸、人口779人のうち、23世帯・101人が被害を受け、安全な場所へ避難した。
当局は電話やZaloグループなどを通じて周辺集落および下流域(サッケー、チャンディン、カンチエン、クオックヴィエット)に警報を発令し、住民に速やかな避難を呼びかけた。
また、警察、軍、民兵、医療・救助部隊が捜索・避難活動に当たっている。主要道路Q3Bは複数箇所で寸断され、対応活動に支障が出ているという。
台風マットゥモの影響で記録的降雨
バッケー1号水力発電所は出力2.4MW、流域面積325平方キロメートルの中小規模発電施設である。今回の決壊は、台風マットゥモ(第11号)の影響で、10月6日朝から7日朝にかけて断続的に激しい雨が降り続いたことが原因とみられる。
発電所の記録によると、7日午前9時時点での流入量は毎秒1181立方メートルだったが、正午には1562立方メートルに上昇。その約1時間半後、ダムの一部が崩壊した。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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