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【経済】100万人の小規模事業者を「デジタル化」へ

人気KOC(Key Opinion Consumer)であるゴック・ケム氏
(C)TUOI TRE

専門家が伝統市場の変革を提言

ベトナムの伝統市場における小規模事業者や個人事業者が、オンライン販売の技術を学ぶだけでなく、「デジタル時代のビジネスのあり方」──すなわち、透明性・専門性・効率性を備えた経営へと進化する必要があると、専門家は呼びかけている。

電子商取引の急拡大とキャッシュレス化の進展を背景に、全国約8,000か所の伝統市場は今、転換の岐路に立たされている。

伝統市場が直面する課題

10月8日に開催された教育イベント「デジタル化で新たな段階へ」で、商工省電子商取引・デジタル経済局のファム・タイン・フーン専門官は次のように述べた。

「ベトナム全土には、8,000以上の伝統的な市場があり、そのうち約2,000は大規模市場です。しかし今、伝統的な市場はオンライン購買の波に押され、競争力を失いつつあります。」

多くの市場では商品の供給ルートが古く、中間業者が多く、国産品の割合が低い。パッケージングやラベル表示も標準化されておらず、物流コストも高止まりしている。取引の多くは依然として現金または個人QRコードによる送金に依存しており、利便性と安全性を求める消費者ニーズに対応できていない。

さらに若い世代を中心とした消費行動の変化も大きな課題である。オンラインで買い物をする若者たちは、透明性と出所の明確さ、利便性を重視する。一方で、多くの小規模事業者はデジタルスキルやマーケティング知識が乏しく、オンライン販売の管理にも不慣れだ。

「市場のインフラは老朽化しており、個人事業者たちの経営力も時代の流れに追いついていません」とファム氏は指摘する。

「伝統の強み」をデジタルに生かす

それでも、伝統的な市場には電子商取引プラットフォームにはない強みがある。
商人たちは地元の嗜好を熟知し、顧客と信頼関係を築いている。挨拶や会話、価格交渉といった対面ならではの交流を通じて、「人のぬくもり」が商売に生きているのだ。

高額なシステム投資やプラットフォーム手数料も不要で、地域文化と観光を結びつけた新しい展開も可能である。
「重要なのは、こうした伝統的な価値を“そのまま”デジタル化すること。信頼と親しみをオンライン空間に持ち込むことです」とファム氏は強調した。

商工省、全国的なデジタル化支援プログラムを開始

商工省はホーチミン市で「伝統市場の小規模事業者デジタル化推進プログラム」を正式に発足させ、「デジタル化ガイドブック」も公開した。

2025〜2030年の期間に、全国34省・市の市場と商店街を対象に、100万人の小規模事業者のデジタル化達成を目指す。

取り組み内容は、デジタルスキル研修、技術導入支援、デジタル化フェアの開催、電子商取引の利用促進などである。
また、オンライン上に「ベトナム小規模商人デジタル化コミュニティ(congdong.tieuthuongvietnam.vn)」を設立し、学びと交流の場を提供する。

個人事業者たちは、電子商取引サイトへの出店支援、電子請求書・キャッシュレス決済・販売管理ソフトの導入、デジタルスキル講座の受講などを通じて、段階的にデジタル化を進めることができる。
市場管理者は企業、銀行、メディアとの連携を担い、学生や若者ボランティアが現場支援を行う。

成功するオンライン販売の“方程式”

人気KOC(Key Opinion Consumer)であるゴック・ケム氏は、ライブ配信販売(ライブコマース)のノウハウを共有し、「オンライン販売は運任せではなく、戦略とシナリオのある“方程式”です」と語った。

ゴック・ケム氏によれば、成功の鍵は「顧客心理の理解」と「事前準備」にある。ターゲット層と商品カテゴリーを明確にし、ブランドイメージを一貫させることが重要だという。

「例えば、あなたがファッションを売るなら、1つのスタイルに絞るべきです。オフィス服と聞けばすぐにあなたの店を思い出す――そんな認知を目指してください」とアドバイスした。

彼女は効果的なライブ配信に必要な3つの問いを挙げた。

  1. なぜ顧客はこの商品を買うべきか。
  2. なぜこの店から買うべきか。
  3. なぜ今買うべきか。

これらを一貫して伝えることで、購買動機を喚起し、信頼を得て、最終的な「今すぐ購入」へと導くという。

ECプラットフォームと銀行が支援 「透明性」が鍵に

ShopeeのKOLセラーであるレ・シ・ズン氏は、「オンライン販売の本質は“デジタル信頼”の構築です」と強調した。
Shopeeは2015年以降、Shopee MallやShopee Live、Shopee Videoなどを次々に導入し、AIチャット補助機能も搭載して販売効率を高めている。

一方、国際銀行(VIB)のグエン・ダン・フン氏は、「電子商取引が無限の市場を開く一方で、財務の透明性こそ持続的成長に必要な条件です」と指摘する。
2025年7月1日からは、電子商取引やSNS上の販売に対して源泉徴収・電子請求書・電子署名などの義務が適用される予定である。

「資金の透明化はもはや“選択”ではなく、“必須条件”です」とフン氏は述べた。

※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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