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【経済】フィリピン、コメ輸入禁止を年末まで延長へ

ベトナムのコメ収穫風景
(C)TUOI TRE

ベトナム産米に強い圧

世界最大のコメ輸入国、政策転換で市場に衝撃

世界最大のコメ輸入国であるフィリピンが、当初2カ月間の予定だったコメ輸入禁止措置を2025年末まで延長する可能性が浮上した。これにより、国際コメ価格の停滞や、主要輸出国であるベトナムの輸出収益への影響が懸念されている。

「国内農家保護」を理由に輸入停止を継続

フィリピン農業省は、9〜10月に実施した輸入停止措置をさらに30日以上延長する方針を決定した。国内の収穫期に米価が大幅に下落したことを受け、農家を保護する狙いがあるという。
同国では一部地域で玄米価格が1キロあたり6ペソ(約16円)まで下落し、収穫初期の14〜17ペソから半減した。政府は国家食糧庁(NFA)を通じて緊急買い上げと備蓄拡充を進め、全国的な価格下限を設定している。

また、政府機関による輸入米の購入禁止や、輸入関税の引き上げも検討中で、「輸入依存から国内自給への転換」を志向している。

2026年初頭に一時的な輸入再開も計画

当局は2026年1月に30万トンの輸入を1カ月限定で許可する見込みだが、2〜4月は再び輸入を停止して農家支援を続ける方針である。
2025年9月時点で同国のコメ在庫は約207万トンと前年同期比25%増。備蓄拡大が政策変更の背景にある。

ベトナム産米の輸出に影響

フィリピンの措置により、世界のコメ供給網は大きく揺れている。特にベトナムにとって同国は最大の輸出市場であり、今回の延長は大きな打撃だ。
ベトナム食糧協会(VFA)によると、現在の輸出価格は概ね維持されている。

しかし、同協会は「2025年初頭の冬春期(最大の収穫期)を迎える中で、輸出先が不透明なため、価格下落圧力が高まる可能性がある」と警戒している。

ガーナがフィリピンを抜き、ベトナム米の最大輸入国

フィリピン停止で輸出額が半減

フィリピンの輸入停止により、2025年9月のベトナム米輸出量は約46万6,800トン(2億3,200万ドル)と前年同期比で数量43%減、金額55%減に落ち込んだ。
2025年1〜9月累計では、683万トン(34億9,000万ドル)の輸出にとどまり、数量は2%減、金額は約20%減少した。輸出単価は509ドル/トンと低水準にある。

アフリカ市場への「方向転換」

ベトナム産米の輸出は、フィリピンの代わりにガーナが22%で最大の輸出先となり、次いでコートジボワール21%、マレーシア10%が続く。
専門家は「フィリピンが年末まで輸入を再開しなければ、ベトナム米はさらに価格下落に直面する」と指摘している。

※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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