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【経済】ベトナム産ティラピア輸出が急伸

ベトナム産のティラピア
(C)THANH NIEN

輸出額はまだ大きくないものの、ベトナムのティラピア(cá rô phi)輸出が世界的な供給網において存在感を高めつつある。各国の市場変動をうまく捉え、生産と輸出を拡大しているためである。

輸出額は1年で4倍以上に

ベトナム水産加工・輸出協会(VASEP)によると、ティラピアの輸出額は2024年に1,326万USDにとどまっていたが、2025年第3四半期末には5,730万USDに達し、前年同期比で332%増となった。

特に8月と9月に世界的な供給が大きく揺らいだ中で、ベトナム企業が積極的に輸出を加速し、月平均で約1,000万USDを輸出した。現在、ベトナム産ティラピアは米国を中心に多数の市場へ出荷されている。

中国とブラジルの輸出停滞が追い風に

専門家の分析では、世界最大のティラピア生産国である中国(年間160万トン)が、米国向け輸出で55%の高関税を課され、注文が急減した。そのため、多くの契約が延期またはキャンセルとなり、在庫も過去最高水準に達している。

一方、中国の代替供給国として期待されていたブラジルも、8月から米国の50%関税の対象となり輸出が停滞。値上げを余儀なくされ、競争力を失った。
両国は国内市場への転換を図っているが、生産コストの高さが足かせとなり、効果は限定的である。

専門家によれば、2025年の世界のティラピア供給量は700万トンで横ばいが見込まれるなか、中国、インドネシア、エジプト、バングラデシュの生産が回復基調にある。しかし、急速に生産を拡大できるベトナムは、潜在力の高い供給国として存在感を示しつつある。

第4四半期は成長鈍化、長期戦略が重要に

2025年第4四半期に入り、ベトナムのティラピア輸出は一時的に減速している。米国市場で在庫が積み上がったことが要因で、短期的需要に依存した輸出構造の課題が浮き彫りとなった。

ラボバンク(Rabobank)は、中国とブラジルの事例のように、特定市場への依存は水産業に大きな脆弱性をもたらすと指摘する。アメリカの税制変更が両国の輸出を一気に失速させたことが象徴的である。

ベトナムにとって現在は、短期的な追い風を長期戦略へ転換すべき局面であり、欧州、中東、南米への販路拡大や、フィレ加工、衣付け、調理済み製品などの高付加価値化が求められる。また、品種改良、養殖技術、加工技術への投資により、生産性向上と持続可能性基準への対応が重要となる。

ティラピア産業の組織化が進む

11月14日、VASEPはティラピア生産・輸出企業の協議会を開き、「VASEPティラピア生産・輸出企業クラブ」の設立に合意した。

現在、ベトナム水産業は養殖種と輸出品の多様化を推進しており、ティラピアは国際需要や国内の生産条件に合致した有望分野として注目されている。

VASEPによれば2024年のティラピアと加工品の輸出額は4,100万USDとなり、2025年には8,300万USDへ倍増すると見込まれている。多くの企業が養殖池の拡大、高度加工技術の導入、付加価値製品の開発を進め、安定的で競争力あるサプライチェーンの構築を進めている。

世界の需要増でブランド構築の好機

世界的にティラピアの生産量は増加傾向にあり、消費者の環境配慮型食品への志向も強まっている。こうした中、ベトナムは独自ブランドの構築と地位向上の好機を迎えている。

単なる“穴埋め”の供給国ではなく、持続可能で戦略的な主要供給国としての役割が期待されている。

※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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