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ベトナムビジネス情報Vol.180
Japan Vietnam Festival

3月8日と9日の2日間、第10回となるJapan Vietnam Festival(JVF)が開催された。ベトナム最大級の日越交流イベントの場所はホーチミン市9月23日公園Bエリア。過去最大の290ブースが出展し、来場者は延べで約43万人(土曜20万人、日曜23万人)に達した。

パスタソースから田鰻まで

 JVFのメインエントランスはLe Lai通りにある。このゲートをくぐると昨年同様エースコックベトナムのブースが迎える企業PRエリアが始まる。常連のすき家(ゼンショーベトナム)、ハウスフーズベトナムはお馴染みのキッチンカーに加えてビタミンCドリンクのC-Vittを配布。

 飲食系ブースの中で異彩を放ったのが、井上ゴム工業が展開するタイヤIRC TIREの展示。目立っていたのがベトナム日清製粉のブースで、インスタントのパスタソースをパスタと一緒に小皿で提供。長い行列ができていた。

 ロートベトナムはデザインの異なる3ブースが並ぶ。アイケア活動20周年とあって商品の紹介、同社の沿革紹介、目の検査ルームを揃えた。この他にも小ステージのダンスで注目させた森永ミルクベトナム、「お~いお茶」の緑の法被が元気な伊藤園ベトナム、定番サロンパスの久光製薬、着ぐるみがかわいいイオンベトナム、シュートゲームに挑戦者が集まった川崎フロンターレなどあり、JICAの展示が面白かった。

 JICAのカウンターの横でカントー大学が出展し、JICAの協力を得て同大学が開発した循環型ウナギ養殖モデルを展示。タウナギ(田鰻)を養殖しており、その販路を探すためにホーチミン市で試食会を開催したとか。味わいは淡白で、天ぷらが特に美味だったそうだ。

ステージと対照、カードゲーム

 Le Lai通りの先まで行くとメインステージが見えてくる。初日の午後に訪れると、ステージ上ではウルトラマンと怪獣がバトル中で、大人も子どもも大興奮。1周回って戻ると今度はガリガリ君とポカスカジャンが登壇。しかも先月号で紹介したベトナムくんがステージに登場し、お客さんはヒートアップ! 来場者もステージに上がって皆で一緒に踊るガリガリ君ダンスでは、どうやら赤城乳業の井上社長も参加していたらしい…。

 ステージ横にあるのがマンガ・アニメエリア。キャラクターゾーンはブースというより建物の規模で、有名キャラクターのぬいぐるみや各種グッズを展示。その対面にはKim Dong出版による日本の漫画の山積みと、場所もコンテンツも定常運転だ。

 巨大なドラえもん像があった場所に新たに出現したのはCharaxCard Game Festというカードゲームのコーナー。巨大な黒いテントの中に黒いテーブルが並べられ、100人近くの若者たちがカードゲームに興じる姿はこれまでなかった。

ガンバレ、インバウンド!

 ここからPham Ngu Lao通りに沿ってジャパントラベルエリアに入る。左側が主に日本のインバウンド向けで航空会社のほかメインは自治体で北海道、兵庫県、佐賀県、山形県米沢市、秋田県仙北市などが出展。地域が毎年微妙に変わるので飽きないが、その後の出展効果も聞いてみたい。

 右側は主にベトナムの旅行会社。人が集まっていたのはTSTツーリストで、弓矢のゲームでギフトがもらえたから。トラベルエリアはどうしてもパンフレットが中心であまり派手さはない。その割に人が流れているとは思うが、新たな集客のアイデアはないものか。

 中ほどからは日越フレンドシップエリアとなり、ホテル三日月はけん玉大会。見ていると来場者は誰もが器用に扱っていた。明治はきのこの山をアピールしており、ベトナムで本格販売するならうれしい。

 こちらも常連組のホーチミン市 ベトナムー日本友好協会が、幅広の広いテントブースで出展。つまみ細工や浴衣のレンタルなどアトラクションは多いが、一番人気はベトナムの書道家に家で飾るお祝いの言葉を書いてもらうサービスだった。

 また、前回に引き続いてスノーエリアが作られ、人工的に作った雪で子どもたちが遊んだり、雪の小山からそりで滑り降りたり…。ちびっ子たちのために来年以降も続けてほしい企画。また、新しく武道のブースが作られ、ステージとともに日本の武道が実演された。

食品系2社がトライアル

 端から左折してロータスグループエリアに入る。ここを抜ければ1周回って最初のエントランスに戻る道順になる。

 このエリアはロータスグループが提携・協業している日系企業、特に飲食や食品系のブースが密集しており、少し狭いこともあって通行人が途切れない。

 初出展の2社を紹介したい。1社は2021年に日本製粉から社名変更したニップン。報道では2027年にベトナムに工場を新設予定だ。ブースでは料理用小麦粉をアピールしており、ベトナムでの可能性を探りたいと語った。小型サイズの揚げ菓子やスポンジケーキなどを2万VNDで販売しており、売行きは上々だそうだ。

 もう1社が前々号のトピックで紹介したマスダック。ベトナムで卓上のパンケーキクッカーを販売しており、マシンが作った商品のニーズを知りたくて出展した。販売したのは各種クリームをパンケーキで包んだ菓子で、3万VNDの商品より、日本風の白桃と柚子のジャムを使った4万VNDのほうが人気という。取材中もお客が止まらなかった。

 無料の試供品や抽選でのギフトに列ができるのは、JVFに限らずベトナムの風景。しかし、お金を払って購入した商品は記憶に残るし、思い入れも生まれる。商品力があってお試し価格なら買い手は十分期待できると、2社のケースから推察できる。背景にはベトナムの経済発展と所得増もありそうだ。

屋台は日系で勝負あり?

 公園中央に位置するのがフードエリアだ。エントランス近くでは昨年同様エースコックベトナムが広場を活用。開通したホーチミンメトロ1号線のイメージか、5つほどのブースには「エースコック技術駅」などと名前が付けられ、カップラーメン、スナック、アイスなどを販売。入口のゲートは昨年の鳥居風から、デジタルモニターの付いた近代的なデザインに変っていた。

 ここから先が屋台街となるのだが、昨年と変わったのはローカル屋台が増えたこと。日系はラーメン、たこ焼き、焼きそば、かき氷、おにぎりなどで、なぜか金魚すくいとヨーヨー釣りもあってバラエティ感は確保。

 ローカル屋台が残念だったのはどこも串焼き系の似たメニューで特色がなく、お客はやはり日系屋台に集まっていた。

コスプレイヤー増加中!

 フードゾーン奥のスペースにはプロ仕様のカメラを持った若者が何人もおり、レフ版が林立していた。向かってみるとコスプレイヤーの撮影会。JVFに来るコスプレイヤーは年々増えているようで、カメラマンたちとの関係性が出来上がってきたようだ。

 注文を聞いて、ポーズを決めて、撮影が終わると別のカメラマンに代わる。撮影画像を自分で確認するなど、撮影慣れしているコスプレイヤーも多かった。

 今回は土曜日に来たが、見る限り来客はベトナム人の若い層が多く、コスプレイヤーのほかに浴衣姿のベトナム女性が目立った。欧米人が多く泊まるバックパッカー街が近いせいか、そんな風体の欧米人の姿もちらほら。気のせいだと思いたいが、日本人は例年より少ないようだった。

夜に目覚めるメインステージ

 日が落ちるに連れてメインステージ前には人が集まり、夕方前には満席で立ち見もぎっしり。もう何回目になるのか6時前には阿波踊りがスタート。最初に迫力のある踊りで盛り上げ、最後にお客をステージに上げて一緒に踊る手順も慣れたものだ。

 その後、ステージの反対側でJCCHによる「日越友好平和ぼんおどり大会」が始まる。こちらも市民に根付いたようで、輪になって踊ることや初対面の人と手をつなぐことに躊躇する人はほぼいなかった。素直にうれしそうな笑顔を見せるベトナム人たちがとてもまぶしい。

 終わるとジャパンベトナムミュージックショーが始まり、今年はブレイキン日本代表選手のAYUMIやPSYCHIC FEVER from EXILE TRIBE、ベトナムからはQuang Hung MasterDやMy Myが熱いパフォーマンスで会場を沸かした。

 日が暮れてむしろ人出が多くなり、入口付近で人が混雑するなども見られた。記念の第10回目、今回は開始時間10時からの来場者が多く、JVFの認知度はかなり上がっているようだ。来年以降はセカンドシーズンとして、この「常連客」を驚かせるような企画、イベント、出展、アーティストを期待したい。