9月30日以降、ホーチミン市は市内の検問所を撤去し、外出許可証を廃止する。これによって市民は、市内を自由に移動することが可能になるがホーチミン市外へ許可なく出ることはできないとホーチミン市人民委員会のレ・ホア・ビン副主席は説明した。
ホーチミン市人民委員会のレ・ホア・ビン副主席が記者会見で明らかにした内容によると、9月30日の朝、ホーチミン市はCOVID-19を効果的に抑制するための安全対策を柔軟に適応し社会経済活動を再開させることに関して新たな指示を発行した。
この新しい指示は、人口1000万人を抱える都市が様々なレベルでの社会隔離措置を120日以上経験したことを受けて発行された。5月26日の感染第4波発生以降、ホーチミン市の累計感染者数は38万870人(全国の約50%)に達し、現在も入院中の患者が約3万5000人おり、死亡者は1万4000人を超えている。
ビン副主席によると、ホーチミン市の感染防止対策は多くの重要な成果をあげ、医療提供体制は強化・統合され、入院患者数、重症者数、死者数は減少し続け、18歳以上のワクチン接種率は1回目が95%以上で2回目が45%以上となり、7区、カンゾー、クチなど一部の地域では安全を確保したうえで社会経済活動を再開させる実証試験がおこなわれ、企業と市民の感染防止に対する意識も向上した。
しかしながら、ビン副主席によるとホーチミン市の感染状況は依然複雑で、新規感染者数、自宅と医療施設での治療患者数、死亡率などの数字は依然として高いままである。また、南部の重要経済地域に含まれる他の省では、ワクチン接種率が非常に低く、ホーチミン市の2回目のワクチン接種率もまだ高くないため、ホーチミン市の経済回復に向けた決定や政策は慎重に地域全体を見て決める必要がある。
ビン副主席は、新たな指示の精神は、あらゆる活動を大規模に再開させるということではなく、市民の健康が第一であるという考え方に基づいて安全を確保した形のロードマップである必要があると強調する。そのため、事業活動再開は、具体的なリストに基づいた優先順位やロードマップに従って実施される。「新たな指示は、市民の生活をニューノーマル状態に移行させることを目指していますが、決して市民が一斉に外出したり感染対策を疎かにすることを認めるものではありません。」とビン副主席は話す。
計画によると9月30日の18時から、公立と私立のクリニック、各種医療機関、薬局、化粧品店、医療器具販売店などを含む多くの事業活動再開が認められる。
具体的に事業活動再開が許可されるのは、以下の事業形態となっている。
工業団地、輸出加工区、ハイテクパーク、クアンチュンソフトウェアシティに所在する企業、農林水産業に従事する企業、団体、家族経営事業者、農業生産サポートサービス、獣医施設、獣医関連事業
道路工事、建設工事、食料品販売、ショッピングセンター、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、雑貨店、卸売市場、伝統的市場、ガソリン、オイル、ガス、化学品販売所、電気、水道、燃料関連、各種車両、機械設備の売買、修理メンテナンス、マンションやオフィスビルの設備、インフラの管理、運営、メンテナンス、修理サービス。
デリバリーのみの飲食店、ホテルやリゾート施設内でのみ飲食を提供するレストラン(ビュッフェ方式は不可)
ヘアカットとシャンプーは、定員の50%未満での営業が可能となる。宗教施設、礼拝施設での集会は10人未満とし、もし参加者全員が十分な回数のワクチン接種を完了しているかCOVID-19の感染から回復している場合は、70人未満とする。結婚式と葬儀は1度に20人以上が集まらないようにする。
活動停止が継続される事業活動は、文化イベント、芸術イベント、宗教イベント、集会などで特別の許可を受けていないもの、バー、SPA、マッサージ、美容サービス、店内で提供される飲食サービス、映画館、ディスコ、カラオケ、ゲームセンター、行商、宝くじ販売などとなっている。
9月30日以降、ホーチミン市は外出許可証を廃止し、IT技術を活用した管理をおこなうが安全は確保しなければならない。ただし、ホーチミン市民は、許可なくホーチミン市外へ移動することはできない。
ホーチミン市警察のグエン・シー・クアン副所長によるとホーチミン市は市内の12ヶ所の正規検問所と、39か所の他省と隣接するエリアの臨時検問所を残して、それ以外の検問所を廃止する。外出する市民は、PC-Covidアプリが正式に稼働するまでの期間は、VNEIDなどのアプリに表示されるワクチン接種履歴のQRコードを提示する。スマートフォンが無い場合は、印刷した180日以内のCOVID-19感染証明書かワクチン接種証明書(2回接種ワクチンを最低1回接種し、14日以上経過しているもの)を提示する必要がある。
ホーチミン市警察は、24時間体制で路上の抜き打ち検査を実施するとしている。「新たな既定の後で他省に帰省したい人もいると思いますが、新たな指示はそれを認めていません。市民の帰省行動は、チェックポイントの負荷を増加させ、感染を拡大させる危険性があります。警察では故意に検問所を突破する行為を厳格に処分します。」とクアン副所長は述べた。
地方で立ち往生しているホーチミン市民をホーチミン市に連れ戻す方法について、ビン副主席は、ホーチミン市へ戻る必要のある人は、運輸局に申請書を提出する必用があると説明する。ホーチミン市では今のところ、これらの対象者に対する規定や基準を定めておらず、他省からの労働者の輸送のみを実施している。
ビン副主席によると、ホーチミン市が活動を再開させると多くの製造業で人材不足が発生する可能性が高い。例えば、今朝になって45か所の建設現場が活動を再開したところ労働者が30~40%しか集まらなかった。「仕事を得て働いて収入を得ることは、自分の人生を生きる上で非常に重要なことです。ホーチミン市では、既に労働者の復帰計画を立案しています。我々としては、労働者の皆さんにここにとどまり、支援パッケージを受け取り、ワクチンを接種して製造活動に従事して頂きたいと思っています。」とビン副主席は話す。
ホーチミン市は、感染に関する情報を市民に提供し、企業の事業活動と物流活動を管理するために、市民に対してCOVID-19感染防止管理委員会の展開するアプリを使用することを求めている。活動が許可されている全ての行政機関、政府事務所、企業は、http://antoan-covid.tphcm.gov.vn/でQRコードを登録する必要がある。10月15日までに全ての企業と機関は、ホーチミン市のアプリかPC-Covidアプリを使用して、感染防止のために全ての訪問者のQRコード(スマートフォンか印刷物)をスキャン出来るようにしなければならない。
ワクチン接種に関してビン副主席は、ホーチミン市はCOVID-19感染防止活動の最前線の部隊、50歳以上の市民、妊婦、基礎疾患がある人など感染リスクの高い人、製造現場で働く労働者を優先して2回目の接種をおこなうと説明した。子供へのワクチン接種に関しては、保健省からの指示があり、十分なワクチンが確保できた場合に実施するとしている。
ホーチミン市では感染リスクレベルが3と4の地域で感染者をコミュニティから分離させるために積極的に検査を実施していく。感染が疑われる症状については全て検査を行い、多くの人が集まる卸売市場、バスターミナル、病院、学校など感染リスクの高いエリアでも重点的にスクリーニング検査を実施し、企業や市民が自発的に検査を実施することを推奨する。
ホーチミン市は、ニューノーマル時代に合わせ、安全性を確保したうえで企業が事業活動を停止せずに対応できるようにするため、企業内でF0が発見された場合の管理と処理に関する規定を新たに発行する予定だ。市内の全ての区と県は、感染者をコミュニティで治療できるように移動式医療ステーション設置計画を立案する必要がある。全ての医療ステーションは医療用酸素を常備し自宅隔離中の感染者の救急治療に対応できるようにしておく必要がある。
社会保障に関して、ホーチミン市は、引き続き困難な状況に置かれている市民に対する第3弾の支援パッケージを実施し、COVID-19によって孤児となった子供たちと一人暮らしの老人をサポートするための社会的な寄付を呼び掛ける政策を立案し、政府の割り当てに従って米の配給を継続し、困難な状況にある人を救う個人や企業の活動に 有利な条件を作り出すとしている。
出典:30/09/2021 VNEXPRESS
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