製造業の景況感を示すPMI指数が4ヶ月連続で下落した後、10月に入って初めて50ポイントを超えた。
製造業の購買担当者景気指数（PMI）は、製造業やサービス業の購買担当者を調査対象にしており、企業の景況感を示す景気指標となっている。
2021年10月にベトナムのPMIは52.1ポイントとなり、製造業の拡大又は、縮小傾向の基準となる50ポイントを上回った。「これは、製造業の経営条件が改善していることを示しており、4ヶ月に渡った縮小期間が終了したことを示しています」とPMI調査機関の担当者は話す。
社会隔離措置の緩和によって、一部の企業は10月から製造活動を再開させ、新たに受注した大量の注文に対応するために生産量を拡大させた。その結果、製造業の製造量は５ヶ月振りに増加に転じた。製造業と顧客の両方が活動を再開させたために、新規の受注量も大幅に増加している。
COVID-19の感染状況改善によって、国内の製造業は国際マーケットからの需要増加によるメリットを享受し、新規の輸出注文量は今年の5月以来初めて増加に転じた。感染第4波が収束の兆しを見せたことで、10月の景況感が大幅に改善したとみられる。
しかし、PMI指数の分析機関であるIHS Markit社のアンドリュー・ハーカー部長は、最近のCOVID-19の感染爆発によって製造業の成長は阻害されており、まだ多くの問題が残されたままになっていると指摘する。
「物流とサプライチェーンの問題はまだ終わっていません。また一部の企業は、まだワーカーが田舎から戻ってくるのを待っています。今後数か月でこれらの課題が徐々に解消され、通常の状態に戻ることを期待しています。」とハーカー部長は話す。
一部の企業は、田舎に帰省した社員がまだ仕事に戻って来ておらず10月の仕事量は依然として減少したままだ。労働者の不足は、生産能力を減退させ、新規注文の増加も企業の生産性に圧力を加えている。そのため、成長率は9月に比べてそれほど高い回復を見せているわけではない。
製造コストは、2011年4月からこれまでの統計の中で最も速いスピードで増加している。これを受けて各製造業の販売価格も過去5ヶ月で最も速いスピードで上昇している。
将来的な価格上昇の影響を極力抑えるために、各企業は3か月連続で資材の在庫を増やしている。このことが企業の購買活動を記録的なスピードで回復させる原因となっている。
※「PMIの重要性と課題については、こちらの記事でも詳しく解説されています。あわせてご確認ください。参考：M&Aの成否を握るPMIの重要性と課題、弊社事例のご紹介｜ 株式会社パラダイムシフト」
出典：01/11/2021 VNEXPRESS
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