池の中に落とした斧を天使が拾って、木こりに尋ねるイソップ童話の「金の斧 銀の斧」。正直者の木こりには自分の落とした斧だけでなく金と銀の斧もプレゼントされ、嘘つきの木こりは自分の斧まで没収された話です。
これまでベトナムで大事なものを忘れたことが数回ありますが、その中でもショックだったのは、買ったばかりのアイフォンをタクシーの中に置き忘れたこと。12区のお客さんからの帰りで、タクシーを降りてすぐに気が付きました。タクシーのレシートを元に弊社スタッフがタクシー会社に連絡したところ、運転手にすぐに連絡が取れました。しかし、見つからないとのそっけない返事。降りてから10分くらいだったのですが……。
もう一件も同じ会社のタクシーです。タクシーカードを出した後、シートに財布を置いたままにしていました。同じようにして運転手に連絡すると、「今はほかのお客さんがいるので、1時間後に降ろした場所に戻って返します」とのこと。本当か、大丈夫かと、疑心暗鬼で心が暗くなりました。
降車場所に戻ってしばらくすると、運転手から到着したとの電話。タクシーを見つけて声をかけると、あっさりと財布を返してくれました。中身は変わっていない様子です。あまりに感激したので、財布にあった高額の紙幣をお礼として全て渡しました。まあ、財布の中には100万VNDくらいしかなかったのですが……。
正直者の運転手には金の斧だったかもしれませんが、逆に私は運転手から高価なギフトを貰った気持になりました。