もし、COVID-19を特別危険な感染症リストから外した場合、市民に対しては、診察費や治療費の自己負担、感染拡大地域への移動制限の廃止などの影響が出る。
様々な感染防止対策を2年以上実施した後で、政府はCOVID-19をグループAの感染症からグループBの感染症へ移行させる研究を進めるという新たな方針を定めた決議を発行した。
2007年の感染症の予防と管理に関する法律によると、グループAの感染症には、感染力が非常に強く、迅速かつ広範に感染する可能性があり、高い死亡率を示す感染症、または未知の病原体による非常に危険な感染症が含まれる。グループBの感染症には、感染力が強く、死亡する可能性がある危険な感染症が含まれる。
COVID-19のグループAからの除外は、感染防止対策における大きな変化とみなされており、専門機関のニューノーマル状態に向けた新たな感染症対応ガイドラインの基礎となる。これは、同時に政府の感染症管理と国民の利益にも多くの面で影響を及ぼす。
タファ法律事務所のヴォー・ダン・マック弁護士によると、感染症の予防と管理に関する法律第48条に基づき、現在、COVID-19(グループA)に感染した国民は、無料で診察と治療を受けられる。しかし、COVID-19がグループBになれば、診察と治療費は自己負担となる。
一方で、この変更は、国民にメリットももたらす。例えば、感染の予防と管理に関する法律第53条では、グループAの感染症流行地域への出入りは厳しく管理されるとされている。もし、COVID-19がグループAでなくなれば、感染地域への出入りに関する制限規定に従う必要がなくなり、感染を拡大させる可能性のある貨物の輸送を禁じられたり、検疫検問所を通過する必要もなくなる。
さらに、感染者が退院後に居住している地域で政府機関の管理のために医療申告を登録する必要はなくなり、自宅で健康観察をおこなって、症状を申告して医師の指示に従うだけでよくなる。
感染症の予防と管理に関する法律の第18条によると、グループAの感染症の患者が不幸にも死亡した場合、遺体は消毒されて24時間以内に埋葬される。グループBの患者の場合は、埋葬までの時間は48時間に緩和され、ベトナム人の伝統的な葬儀習慣に適した対応が可能となる。
2009年の診察と治療に関する法律でも、グループAの感染症の患者は、強制治療の対象になるとされている。一方で、グループBの感染症の患者は、強制的な治療を拒否する権利を有する。
以前であれば、COVID-19感染防止対策の規定に違反した場合、行政処分の対象となったり、刑事罰を受ける可能性があったが、COVID-19が正式にグループAから除外されれば、規定に違反したとしても法的責任を問われない可能性がある。
2022年2月にベトナムでCOVID-19が確認された当初、首相は、新型のコロナウイルスによる急性呼吸器感染症が発生したと公表し、この感染症を世界的な緊急事態を招く非常に危険な感染症としてグループAに指定した。これに応じてベトナムは、COVID-19感染防止対策として入国停止、広域封鎖、感染者と濃厚接触者の強制隔離、公共交通機関の停止など様々な強力な対策を実施してきた。
最近になって保健省は、国内の多くの地域で感染者が増加しているものの、12歳以上のワクチン接種率が高いため、入院患者、重症者、死亡者は減少していると発表した。
出典:21/03/2022 VNEXPRESS
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