8月15日の午後、ホーチミン市中心部は100ミリを超える大雨と大潮の影響によって多くの道路が浸水し、市民生活に多大な影響を与えた。
8月15日の15時ごろホーチミン市上空が黒い雲に覆われ、1区、3区、4区、5区、ビンタイン区など市内中心部に大雨を降らせた。この雨は、4時間近く降り続き、ホーチミン市内各所で洪水を発生させ、場所によっては50㎝近く浸水したため、多くの車やバイクが立ち往生することになった。
1区ブイビエン通りの多くの店舗が浸水被害によって営業を取りやめた。この通りでビアバーを経営するフイン・バオ・ランさんは、店に流れ着くごみを掃除しながら去年のパンデミック以降、これほど雨が降ったのは初めてだと話した。
ブイビエン通りから2㎞程離れたチャンフンダオ通りでは、数キロにわたって浸水し、数百台のバイクと車が立ち往生していた。多くの人がずぶ濡れになりながら壊れたバイクを引きずって修理できる店を探し回った。また、道路沿いのガソリンスタンドに避難して水が引くのを待っている人の姿も多くみられた。
この大雨によって5区のフイン・マン・ダット通りとチャンフンダオ通りの交差点にあるマンホールが崩壊し、渦が発生したために通りがかったバイクが滑って転倒する事故が起きた。この辺りで飲料を販売しているフンさん(56歳)によると、この辺で浸水被害が起きること滅多にないそうだ。「これまでの大雨の時は、すぐに水が引いたが、今回は大潮の影響があったのかどんどん水嵩が増していきましたよ。」とフンさんは話す。
チャンフンダオ通りの1区から5区にかけて大渋滞が発生し、雨の中を交通警察が交通整理にあたった。ハンサインロータリーでは、帰宅ラッシュと重なり数千台の車とバイクが、殆ど前に進めなくなっていた。市バスも1㎞先のミエンドンバスターミナルまで到着するのに数時間かかる状態だった。
タンソンニャット国際空港では、大雨により17時30分までに30本のフライトに影響が出た。15時に着陸予定だったVJ650便とQH241便は、着陸を諦めてカムラン空港に避難した。夜になると雨はやみ、天候は徐々に回復し、空港業務も正常化した。
統計によると18時までに市内の42の道路で浸水被害が発生した。市内中心部以外に、トゥードゥック市、10区、12区、ビンタン区の多数の道路で深刻な浸水被害が発生した。今回の浸水被害を受けた道路の数は、ホーチミン市建設局の技術インフラ管理センターが想定した今年の大雨によって浸水する可能性のある道路39か所を超えた。
ホーチミン市で過去40年で最も雨量の大きかったのは、2018年11月の台風うさぎによるもので、タンビン区では407㎜の雨量が観測されている。
南部気象予防センターのレ・ディン・クエット副所長によると、北部を通過する低気圧の谷が南シナ海の熱帯低気圧とつながったことで、広い範囲で大雨が降り、大潮と重なったことでホーチミン市内の多くの場所で浸水被害が発生した。「1区で19時に観測された雨量は102㎜でした。これは、今年一番の雨量です。」とクエット副所長は話し、8月19日から22日にかかけてホーチミン市を中心とした南部地方に更に大雨が降る可能性があると指摘した。
出典:15/08/2022 VNEXPRESS
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