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【社会】日本の技能実習制度は労働者に不利な制度

(C) VNEXPRESS

実際には仕事をしに行くのだが、技能実習生として来日した労働者は、技能実習生とみなされるので、給与は低く、不満があっても転職することはできない。

ダックラック省出身のファン・バン・フイさん(34歳)はダナン師範大学を優秀な成績で卒業したが、自分の専門を生かせる仕事が見つからなかった。ベトナムで3社の企業で働いたが給与は700万VNDを超えることはなく、8年前にフイさんは海外に出稼ぎ労働に行くことを決めた。

フイさんは、ホーチミン市の労働力輸出企業から溶接の技能実習生として日本へ行くプログラムを紹介された。「飛行機に乗るまでに、研修費用、出国手続き費用、日本語学習費用、生活費などで2億ドン以上の借金が必要でした」とフイさんは8年前を振り返る。

フイさんは、日本の組合を通じて大阪府に本社のある企業に受け入れられ、栃木県で働くことになった。フイさんは当初、その地域の最低賃金である時給877円で仕事をすることになった。3年目になると日本政府が最低賃金を見直したので、時給は963円になった。

日本では、労働者は毎月、傷害保険、健康保険、失業保険、実習生保険などの支払いのために給与の約20%が差し引かれる。他にも税金、家賃、飲食費、組合費も給与から差し引かれる。フイさんは、毎月借金の返済と妻と子供の生活費として2000万~2700万VNDをベトナムに送金する必要があるため、残業を積極的に引き受け、生活費を節約する必要があった。日本に行った初めの年、フイさんは節約のために毎月インスタントラーメンを数箱購入して、朝食と夕食に充てていた。

通常3年の契約期間が終了すればフイさんは帰国しなければならないが、フイさんは2年間の期間延長手続きをおこない、時給は1000円に上がった。5年間の実習生が終わると、フイさんは試験を受けて職業技能証明書を取得し、特定技能制度によって日本に残ることが出来た。現在、フイさんの時給は1150円となっている。

「溶接業で6年の経験があれば通常は時給1300~1700円程度は支払われますが、元技能実習生はより低い給料に甘んじなければなりません。なぜなら実習生だった5年間は仕事ではなく見習い期間とみなされるからです。」とフイさんは説明する。

日本で3年間技能実習生として働き2020年に帰国した後、「私は日本に行った」という自伝を出版したファン・バン・アインさんは、理想的には、技能実習制度に参加したベトナム人労働者は、日本で技術トレーニングを受け、祖国の発展に貢献する技術を学ぶことになっていると説明する。

しかし、『トレーニング』を受ける仕事は、重機の運転、検品、土壌の締固めなどの単純作業で、健康なら誰でもできる。また、例え日本で技術を習得したとしても、日本とベトナムは産業構造が異なり、技術と機械にも互換性が少ないので、実習期間が終了してもベトナムで仕事を見つけることは、非常に難しい。

「理想と現実は異なっており、結局は労働者だけが苦しむことになります。」とアインさんは話す。技能実習制度で来日した実習生は、当然組合の管理下に置かれ、毎月約100万VNDを納めなければならない。3年間の実習期間中、実習生は自分の意志で職場を変えることも認められない。

アインさんは、殆どのベトナム人労働者は、お金を稼ぐことを目的に日本へ行っていると話す。彼らは労働力輸出企業への支払いのために数億VNDの借金をする必要がある。しかし、派遣された日本の地域の最低賃金が非常に低く、残業も少なく、仕事が厳しいとなっても彼らには職場を変える権利はない。このような状況が、労働者がより良い収入を求めて逃亡する原因にもなっている。

ホーチミン市にある労働力輸出企業の日本市場担当者は、日本へ行く労働者は、高い学歴が不要で職種も豊富な技能実習制度によるものが圧倒的に多いと説明する。

「学歴や資格を殆ど必要としないので、受け入れ企業は地域の最低賃金しか払いません。」とこの担当者は話す。日本で各種保険料や生活費を支払った後、殆どの実習生は月に2000万VND程度貯金できる。

一方で、技能実習制度にはいくつかの欠点がある。例えば、実習生は、職場が火事になったり閉鎖されでもしない限り、職場を変更することはできない。技能実習期間中は、組合が厳格に管理しており、多くの実習生が不快感を覚えている。

労働省傘下の海外労働管理局(Dolab)も、技能実習制度の本質は、日本での労働だとみなしている。しかし、日本側はこの考えに同意せず、1992年から現在まで『技能実習制度』を維持し続けている。労働者を派遣する国は、この考えを受け入れるしかない。

以前は、韓国も技能実習制度を適用していた。しかし、その後は、この制度を廃止して、より良い待遇で正式に労働者として受け入れることにした。ベトナム側からの再三の制度変更の提案の後、日本側は、一定の制度変更をおこなった。具体的には、2018年末に日本政府は特定技能制度を承認し、一部の業種の技能実習生が、より高い給料で引き続き日本で働けるチャンスを与えることにした。

2022年、ベトナムは契約に基づき9万人の労働者を海外に派遣する見込みだ。このうち、依然として日本が最大のマーケットで約6万人とされており、そのほとんどが技能実習生だ。次いで台湾の1万3000人、韓国の7000人と続いており、オーストラリア、カナダなどにも派遣される。

出典:29/05/2022 VNEXPRESS
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