ゲアン省で食堂を経営するチャン・ディン・クアン（36歳）さんとその妻は、SNSを通じた捜索で、10億VND（約540万円）近くの入った鞄を忘れて行った持ち主を見つけた。
4月10日の午後、ゲアン省ヴィン市にあるクアンさんの経営する食堂で、テーブルを片付けていたスタッフが、客が椅子の上に黒い鞄を忘れているのを発見した。クアンさんが鞄を開けてみると、中には10億VND近い大量の札束が入っていた。
防犯カメラの映像から落とし主が男性だと判明したが、鞄の中には身分証明書や電話は入っておらず連絡ができなかった。「金額があまりに多かったので怖くなりました。何とかしてすぐに持ち主を探して返却したいと思いました。」とクアンさんは話す。
その後、クアンさん夫妻は、個人のFacebookアカウントで、落とし主を探す投稿をした。4時間後に、バクニン省在住の男性から自分が忘れたカバンなので受け取りたいとの連絡がきた。クアンさんは、落とし主本人かどうかを良く確認したうえで鞄を男性に返却した。
「私はスタッフは誠実でなければならないと指導してきました。お客様が忘れ物をすれば返却する責任があります。自分のものではないものを絶対に奪ってはいけません。」とクアンさんは話す。クアンさんは、これまで5年間の食堂経営で、忘れ物をした客に携帯電話、財布などを返却したことがあるが、これほど大きな金額を返却したのは初めてだ。
落とし主の男性は、4月10日に出張で来たヴィン市での仕事を終え、帰り道でこの食堂に立ち寄った。食事を終えて、車でタインホア省まで戻ったところで、鞄を忘れていることに気付いた。「クアンさんご夫妻とお店のスタッフの方々の親切に感謝しています。」とこの男性は話した。
4月12日の午後、ヴィン市ドンクン街区の人民委員会幹部と警察官がクアンさんの食堂を訪問し、状況を確認した。ヒアリングの後で、ドイクン街区人民委員会のチャン・ホアン・ソン主席は、クアンさんの話が事実であったことを確認したと述べた。「クアンさんの行為は社会のお手本です。人民委員会は、クアンさんを表彰する手続きに入る予定です。」とソン主席は述べた。
出典：12/04/2022 VNEXPRESS
上記を参考に記事を翻訳・編集・制作
