国内の外資系企業はベトナム政府に対して、早急に経済拡幅に向けた行動を起こさなければ、ベトナムは世界の中で外国投資と経済回復競争に遅れを取る可能性が高いと警告している。
在ベトナムのアメリカ商工会議所(Amcham)、EU商工会議所、韓国商工会議所(Kocham)とアメリカ-ASEANビジネス評議会の4つの団体がファン・ミン・チン首相と各副首相に対して、ニューノーマルに向けた安全なビジネス活動の回復戦略に関する書簡を送付した。
この書簡の中で海外投資家たちは、ベトナムはグローバル企業が、脱中国を進めサプライチェーンを多様化させる機会を掴み、世界と周辺地域での競争力を維持するために、今すぐに行動を起こし、世界的な経済回復から取り残されないようにする必要があると何度も強調している。
また各商工会は書簡の中で、ベトナムのウイズコロナ戦略を支持するとして、ベトナム経済の立て直しに喜んで協力するとも記している。
しかし、そのためには各企業は、現時点から経済再開に向けた政府の明確なロードマップを示してもらう必要があるとしている。各商工会議所の調査では、製造業の会員企業の少なくとも20%が、既に一部の製造活動を第三国に移管しており、他の企業でも同様の検討が進められている。
「製造ラインが別の国に移管されるなど一度製造体制が変更されれば、元に戻すことは非常に難しくなるだろう。」と各商工会は注意を促している。
そのため、外資系企業は、ベトナムが一度失った外国投資のチャンスが将来戻ってくることはないだろうと指摘する。経済回復と規制緩和に向けた明確な計画が示されなければ、外国投資は増加することはない。多くの企業での投資計画も現在の不安定な状況を受けて遅れが生じている。新たな潜在的な投資家達も入国管理に関しての合理的な政策を提示できなければ去っていくだろう
この問題を解決するために、各商工会議所はワクチン接種が最大のカギを握っていると指摘する。企業側は、2回目のワクチン接種についても医療従事者、高齢者、基礎疾患のある人、製造業従事者、輸送業者などの特定のグループを優先させるように求めている。
外資系企業はまた、省庁と地方自治体の間で調整して、ユーザーの識別、接触、移動を一貫して管理できるようにシステム/アプリを統一させる必要があると指摘している。一方で、外国人ビジネスマンの中にもワクチン接種を2回完了している人が多く存在しており、外国人のワクチンの接種情報を入力し、COVIDグリーンカードを発行するシステムも必要だとしている。
さらに行政の管理システムは、より多くの企業のデジタル文書を受け入れる必要がある。これによってCOVID-19が拡大する中で企業のビジネスと投資を促進すると同時にデジタル経済の成長と革新を促すことが期待できる。
さらに各商工会議所は、市民への食料供給も非常に重要な課題であるとの見方を示している。最近の政府の感染防止対策によってサプライチェーンが混乱し、食材の流通が困難になっている。そのためベトナム政府は、レストランを重要なパートナーとみなして、雇用の維持と共に食料確保を目指すべきだとしている。
各商工会議所によれば、『ニューノーマル』に移行する際にベトナム政府は、ワクチン接種の促進に加え、物流、簡易検査、F0の迅速な発見と隔離政策、労働者の安全保障、製造業の負担軽減などを含めた全国の政策を調整する必要がある。
各商工会議所はまた、現在は、ベトナムの旅行事業を安全に再開させるための計画を立案すべき時期であるとも指摘する。ベトナムは国内旅行と海外旅行の主要な目的地の一つに再び返り咲くことができるとして、「我々は、フーコック島の観光客受け入れテスト事業を歓迎し、首相と協力して安定的かつ、安全な形で旅行産業を復活させることを希望しています。」と記載している。
出典:19/09/2021 VNEXPRESS
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