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ベトナム法律事情Vol.17
マッサージでは取れない?
ライセンスの外資規制

―― ベトナムはマッサージ店が多くてありがたいですよね。肩こりがひどいので、よく通ってます。

鷹野 気軽に通えていいですよね。とはいえ、本当にたくさんマッサージ店があるので、どこがよいお店なのか正直よくわかりませんが。

―― 日本で通ってたお店が、ベトナムにも支店を出してくれたらいいのになぁ。

鷹野 ベトナムで外資系企業がサービス事業を始めるには、ライセンスの取得が肝になりますが、これがなかなか難しいんです。ベトナムがWTOに加盟する際、WTOコミットメントを結んでいるためです。これは、サービス業の外資規制について決めたリストです。このリストに明示されていないサービス業について、認められるかどうかは管轄当局の裁量次第ということになります。

―― マッサージは、どうなんでしょうか?

鷹野 残念ながら、マッサージ業はWTOコミットメントに明示されていないので、ライセンスが取得できるかは当局次第です。現時点では、外資系企業がマッサージ業のライセンスを取得するのは難しいと言われています。

―― えー! でも実際に、外資系企業のマッサージ店もあるような。

鷹野 外資規制がある場合は、現地企業との合弁にするとか、代表者をベトナム人とするなど、規制を避ける方法があるにはありますので、そのような方法を用いているのかもしれませんね。現状ではこのような厳しい外資規制がありますが、ベトナムがTPPに加盟したので緩和も期待されています。

―― 外資規制が緩和されれば、さらにベトナムの変化が激しくなりそうですね!

鷹野 亨 Toru Takano
長島・大野・常松法律事務所ホーチミン・オフィス弁護士。2012年日本国弁護士登録以降、経済産業省での2年半の勤務を経て、現在は主としてベトナムへの進出及び現地企業への法務アドバイスを行う。