ベトナムビジネスならLAI VIENにお任せください!入国許可、労働許可証、法人設立、現地調査、工業団地紹介などあらゆる業務に対応します!お気軽にご相談ください!

ベトナム法律事情Vol.36
代理店には優しく?
ベトナムの競争法事情①

―― 本社から、ベトナムの「競争法」に違反していないか調べて報告せよと指示が来ました。海外の子会社全てにそのような指示を出しているようです……教えてください!

鷹野 「競争法」とは、公正で自由な市場競争を確保するための法律で、多くの国が同様の法律を制定しています。日本では「独占禁止法」と言われているものですね。

―― イメージは少しつかめてきました。ベトナムにも競争法があるのですね?

鷹野 はい。2019年7月に、これまでの内容を全面的に改正した新競争法が施行され、2020年5月にはその細則が施行されたとあって、当局の取締りが強化されるのではと言われています。

―― 具体的にどんなことに気を付ければいいんでしょうか?

鷹野 例えば、市場の支配的地位を利用して、不当な販売価格や販売条件を代理店・顧客に強制する等の、取引制限を課すことが禁止です。その対象となるのは市場シェアが30%以上あることで……。

―― うちの会社はそんなシェアないですよ! この話は関係なさそうですね?

鷹野 いえ、30%に達していなくとも、「実質的に競争を制限する可能性がある場合」も規制対象に入っているので、競争法の禁止行為はできる限り避けることが望ましいです。

 今年の4月には、ハイネケンが代理店に対して競合ビール会社の製品を取り扱わないように命じたとして、当局の調査が入りました。結果として、罰則は科されず指導のみでしたが、やはり気を付けるに越したことはないですね。

鷹野 亨 Toru Takano
長島・大野・常松法律事務所ホーチミン・オフィス弁護士。2012年日本国弁護士登録以降、経済産業省での2年半の勤務を経て、現在は主としてベトナムへの進出及び現地企業への法務アドバイスを行う。