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【新型コロナ】ホーチミン市で入院患者数が退院患者数を上回っている理由とは?

(C) VNEXPRESS

175軍事病院のCOVID-19治療センターへ入院する重症化した患者の数は、この5日間でほぼ2倍に増加した。一方で、COVID-19治療病院へ入院する軽症、中等症患者の数はそれほど増加していない。

175軍事病院のCOVID-19治療センターは、COVID-19の3層治療モデルの3層目を担う病院で、ホーチミン市内のF0重症患者と危篤患者の治療に対応している。この5日間、このセンターでの入院患者数は増加し続けている。

COVID-19治療センターのブー・ディン・アン副所長によると、10月29日以前の1日の平均入院患者数は約20人だった。しかし10月29日以降は、1日の平均入院患者数は30人に増加している。11月1日には、入院する患者数がピークを迎え36人となった。これは以前の平均入院患者数の約2倍の数だ。一方で、退院者数は一日平均25~30人となっている。そのため、最近は、退院者数を入院者数が上回る傾向になっている。

アン副所長によると重症化して175軍事病院に搬送されてくるF0には2つのケースがある。一つ目は、解散された野戦病院(No.2、5、9)とCOVID-19の治療を担当しなくなった病院から搬送されてくる既存の重症患者と軽症者の治療にあたっている病院から重症化して搬送されてくる患者だが、その数は1日4~5人程度に過ぎない。2つ目は、家庭内感染や企業内感染などコミュニティ内で感染した患者が重症化するケースで、こちらが大多数を占めている。

トゥードゥック市のビンチュンドン街区病院に勤めるグエン・バン・クア医師は、この2週間でビンチュンドン街区の新規感染者数が減少傾向に転じたと指摘する。10月18日から26日までは1日あたりの新規感染者数は7~26人で推移していた。しかし10月27日に確認された新規感染者数は3人で、その後も4人、6人、10人、7人と推移している。感染が確認された患者は、診察を受けて重症化リスクを判断される。もし基礎疾患などの重症化要因があったり、自宅での隔離条件が整っていないと判断された場合は、集中隔離施設か活動を継続しているCOVID-19治療病院へ移送される。

11月1日開催されたCOVID-19感染防止対策に関する記者会見で、ホーチミン市保健局のグエン・ティ・フイン・マイ事務局長は、1日あたりの入院患者数は減少傾向にあるが、依然として退院患者数よりも多いと述べた。具体的には10月27日には1272人が入院したが退院者数は869人であった。28日は入院者数1212人に対して退院者数が718人、29日は入院者数982人に対して退院者数846人、31日は入院者数634人に対して退院者数473人となっている。

この問題について第一小児病院感染症科のチューン・フー・カイン医師は、F0の微増と入院患者数は、ホーチミン市が大規模なワクチン接種を実施し社会活動を緩和させた後の”現実を正しく反映している”と指摘する。「ウイズコロナにおいては、新規感染者数や入院患者数の増加を気にする必要はありません。重要なのは人工呼吸器が必要な重症患者の割合です。」とカイン医師は話す。

最近になって、一部の病院ではF0の入院者数が増加しているが、その殆どが軽症患者で経過観察を行えば十分で、酸素吸入などの治療は必要としない。入院患者数が退院患者数を上回っている状況についてカイン医師は、軽症患者の多くは早期に退院するが、残った患者が住所化すると長期にわたる治療が必要なためにこのような数字の差が出ていると説明する。

保健省の発表によると11月1日までにホーチミン市では43万2703人がCOVID-19に感染した。現在1万1230人が病院で治療を受けており、そのうち255人が人工呼吸器を装着し、11人がECMOの治療を受けている。

ホーチミン市がニューノーマル状態となってから何日間にもわたって実際の状況を観察したアン副所長は、多くの市民が油断したまま通りに出ており、マスクの着用や距離の確保といった5Kルールを遵守しないまま密集していると指摘する。これこそがCOVID-19新規感染者数が依然として高い状態である原因だとアン副所長は指摘する。「我々はリスクと共に生活しており、油断すればすぐに足元をすくわれてしまうでしょう。」とアン副所長は話す。

F0が重症化しているケースが増えている点については、自宅療養中のF0に対する診察、治療を担う地域医療システムが最善の治療効率を得られておらず、リスクのある患者が早期に病院へ運ばれていないことが考えられる。また、自宅療養中の患者が自宅でCorticoidなどの治療薬を濫用することで別の感染症を併発しているケースも考えられる。この様なケースでは患者は簡単に重症化してしまい、人工透析、人工呼吸器、ECMOのような高度な治療技術が必要な治療を受けるために第3相レベルの病院へ搬送する必要がある

一方で軽症患者の治療を担当する病院では新規のF0の入院患者数は減少しつつある。

ホーチミン市小児病院のグエン・ミン・ティエン副院長は、流行のピーク時にこの病院の入院患者数は500人だったが、11月2日には86人まで減少したと話す。現在入院している患者の殆どが12歳以未満の子供たちだ。子供たちはワクチンを接種しておらず、多くの場合は両親や親族からの家庭内感染で、一部は近所の人や来客から感染している。注目すべきなのは、COVID-19の感染から回復して退院した子供がCOVID-19の後遺症として多系統炎症性症候群(MIS)に感染して再入院するケースがあることだ。

この数週間、軽症患者対応病院または、各区や県で確認された市中感染者が重症者として搬送されてくるのは1日5~10人だ。その他に毎日10人程度が病院のスクリーニング検査で感染が確認されて搬送されてくる。なお子供の感染者は、軽症の場合が多くオンライン診察による自宅療養となるケースが多い。

一方で第3野戦病院のチャン・バン・カイン院長は、ここ数日の新規感染者の入院数は1日20~50人程度で推移し、それほど増えていないと話す。退院患者数は日々増加しており、先日などは入院者数20人に対して退院者数が100人に達したとのことだ。そのため、この病院では3000床以上ある病床のうち現在は、700床程度しか使用していない。

「現在では大規模なワクチン接種が進み、新規感染者数は徐々に減少しています。さらに、感染者の殆どが軽症か無症状ですので、条件さえ整っていれば自宅療養で対応可能です。」とカイン院長は、病床使用率が減少している原因を説明する。

出典:03/11/2021 VNEXPRESS
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