インテージベトナムの調査(2021年8~9月/ハノイ・ホーチミン市)によると、社会的隔離措置の4~9月の間に、ショッピングや支払いのデジタル化が強力に進展していた。
調査によれば、「電子ウォレットの利用」(32%)と「インターネット・電子モバイルによる送金」(29%)が社会的隔離後も続けたい行動のトップ2であり、都市部の消費者の支払い方法が転換したと言える。スマホの銀行アプリからの入金完了で、現金なしで買い物ができる店舗も増加中だ。
支払いのデジタル化はベトナムの伝統分野でも「ニューノーマル」になりつつある。ベトナム経済政策研究所(VEPR)のレポートによると、ベトナムには現在500万の家族経営店舗があり、GDPの30%程度を占めている。その中で食品雑貨店は140万店ほどと言われ、事業が拡大して会社形態にしたくても手続きが複雑なため、個人事業として続ける企業が多かった。テクノロジーへの対応が弱点であった。
しかし、新型コロナの拡大により、ビングループの個人商店向けECアプリ「VinShop」などがデジタル化を促進し、サプライチェーン全体の効率化にも貢献し始めている。こうしたアプリを利用すれば、食料雑貨店は安価な仕入れ、多様な商品の一括発注、在庫を抱える心配のない翌日受取りが可能となる。
伝統的で介入が困難と思われていたフィールドでのVinShopのビジネスモデルは、その伝統を見つめ直して、独自の顧客を開拓できれば、消費者ニーズの需要増からチャンスが狙えると再認識させてくれている。