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マーケッターの 独り言Vol.6
価値観がこれだけ分かれる日・韓ブランド
共通項目からの異業種連携も可能?

 国別のブランド選択において、日系と韓国系を求めるベトナム人の価値観に違いがあることはご存じだろうか? 今回は、2016年弊社自主調査(Asia Insight Research)300サンプルから、様々な商品・サービスにおける日韓ブランドの購入意向者を分析した。今回の統計手法では、販売促進向けによく使われる「CHAID分析」を活用した。

 まずは日系ブランドでの共通点。日系自動車・旅行・アルコールの商品・サービスを求めるベトナム人共通価値観項目のトップは「趣味を大事にする」。他の商品・サービスでは、日系家電購入意向者は「着実な生活」、日系レストラン利用意向者は「合理的な生活」、日系コスメティック購入意向者は「結婚しなくてはならない」。全体的に、日系ブランド購入意向者は「多少余裕がある層ではあるが、保守的な性格」と分析できる。

 一方、韓国系ブランドの共通点。韓国系ファッション・家電・コスメティックの商品・サービスを求める、ベトナム人の共通価値観項目のトップは「社会とのつながり」。韓国系パーソナルケア・加工食品では「新しいことに積極的にチャレンジする」、韓国系自動車では「他人とは違う」。全体的に、韓国系ブランド購入意向者は「集団主義の中で生きているが、多少エッジが効いている性格」が見え隠れする。

 また、日韓の違いではなく「日韓連合」としての分析をすると、「日系の加工食品」と「韓国系のファッション・電機・コスメティック」を求めるベトナム人共通価値観項目は、ともに「社会とのつながり」だった。この商品・サービスでの日韓の連携は、可能性が充分にあると思われる。

根岸正実 Masami Negishi
INTAGE VN Managing Director。INTAGE Japanで海外調査担当後、INTAGE INDIAの支援に従事。その後INTAGE VNへ赴任して2015年11月から現職。講演や学会論文多数。MBA取得。レポートの詳細はWebサービスのSlideShareで「VIEVIEW」と検索。