2023年5月までの米の輸出総額は前年同期比49%増の20億USD超となり、過去10年で最高の伸び率となった。
農業農村開発省が最近発表したレポートによれば、2023年5月までの米の輸出量は390万トン(前年同期比40.8%増)近くに達し、輸出総額は20.2億USD(前年同期比49%増)となった。この伸び率は2013年以降で最高の数字となっている。
2023年4月までのベトナムの最大の米輸出先はフィリピンで、129万トン(前年同期比40.6%増)を輸出しており、輸出額は6億4750万USD(前年同期比53.4%増)となった。米の主要輸出先15か国のうち、輸出量の増加率が最も高かったのはインドネシアの26倍だ。輸出米の平均価格も昨年同期から5.8%上がって、517USD/トンとなっている。
ベトナム食糧協会のグエン・ゴック・ナム会長は、今年は米の輸出にとって非常に有利な状況だと述べた。苗の品種改良によって生産量が増えたことも輸出に大きなメリットをもたらしている。フィリピン、中国、マレーシアなど既存の米の輸出先で軒並み需要が増加している。その一方で、インドネシアやアフリカ諸国などの新たな米の輸出先市場への輸出も急増した。さらにベトナム産米はニッチな市場への輸出を促進して独自の地位を確立したことが、米の輸出状況をより輝かしいものにしている。
エルニーニョ現象の影響でインドやタイで米の生産量が減少するとみられている中で、ベトナムにはさらに多くのチャンスがある。一方で、ロシアとウクライナの紛争によって世界の食糧備蓄需要が高まっている。アメリカ農務省(USDA)のレポートによれば、2022年から2023年度の世界の米生産量は5億300万トンとなり、前年度から2%減少し、2015年から2016年度以降で初めての前年比減となる見込みだ。
そんな中でベトナムの米輸出業者は、数か月前から多くの注文を受けているが、国内の米の供給量が追いついていない。
ベトナム食糧協会のナム会長によれば、2022年にベトナムの米の輸出量が大幅に増加したため、今年の在庫量が極端に少なくなっている。冬から春にかけて収穫された米も既に企業がほとんど買い占めてしまっている。
そのため、食糧協会では今年の年間輸出量は昨年よりも少ない630万~650万トンに落ち着くと予測しており、一部は来年の田植え用に確保し、残りは輸入量が激減している加工用の米として使用される見込みだ。現在、インドの精米に関しては依然として高い関税がかけられている。
出典:01/06/2023 VNEXPRESS
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