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ベトナムエラー通信簿Vol.31
TRC取得まで初体験の連続
新型コロナで新型ビジネス?

アイクラフトJPNベトナム 西田社長

 新型コロナ禍でたくさんの初体験をした話です。以前は投資家ビザで5年間のTRC(在留許可証)が認められましたが、この間だけは行政の都合で1年ビザでの取得に変わりました。

 ところが正式にTRCが取得できるようになると、今までの投資家としての許可は認められなくなりました。投資家の出資金額が30億VND以上と定められたからです。少額出資の私は労働許可証に切り替えましたが、直近で取得したビザが紐づかないとTRCが認められません。

 私は国外に出国し、所属する会社から招聘状を発行してもらいました。入管からの承認書を持って、在日ベトナム大使館で商用ビザ(DN)を取得して入国しました。

 しかし、入国後にスタッフから「これではTRCが取得できません」との声。理由はベトナム入国時に投資家ビザの有効期限が残っており、担当官はそれで入国させたからです。後日商用ビザでの入国に変えてもらうよう交渉しましたが、聞き入れてもらえません。もう一度出国し、商用ビザでの入国に替える必要があるとのことでした。

 数日後、陸路でカンボジアに出国するためにタイニン省モクバイへ。カンボジアでビザを取得してベトナムに入国、すぐに出国して、ベトナムへは商用ビザで入国したいとカンボジアで申告して再度入国。無事にすぐTRCを取得できましたが、初体験の繰り返しでした。

 こんなに苦労話を伝えると問合せがあり、スタッフが国境で出入国をサポートするようになりました。初体験エラーが多い新型コロナ禍でしたが、ビジネスチャンスが生まれることもあるようです。

西田俊哉 Toshiya Nishida
アイクラフトJPNベトナム社長。生命保険会社に23年勤務の後、2005年に仲間とベンチャーキャピタル・IPO支援事業の会社を創業し、2007年に初来越。現在は会社設立、市場調査、不動産仲介、会計・税務支援などを展開。