今号よりベトナム国内での採用・人事周りの話をいたします、G.A.コンサルタンツベトナムの関と申します。まずは第一回目。「人材紹介会社って人材データを横流ししているだけで楽でしょ?」と思われることが多いのですが、実は厳しい現実の連続です。
多くの企業の方は当然「良い人材」を採用したい。ただ、それは経験かソフトスキルかそれともマインドを意味するのか。全部乗せしたスーパーマンは存在しませんから、採用担当の方と同じ目線を共有し、できる限り曖昧な「良い人」を、採用時期に間に合うスペックに落とし込む作業をします。
次に候補者の獲得ですが、ここが一番困難かもしれません。最近の求職者はネットで様々な情報を収集しています。彼らが訪れるWeb求人広告、FacebookやLinkedinなどのSNSを活用してコンタクトしても、反応があるのは4~5人に1人という低い確率です。加えて人材紹介会社が探す該当候補者は大量にいません。
さらに候補者の動向は多様で変化しやすく、ある時は獲得方法として有効だったアプローチやコミュニティがすぐに使えなくなったり、我々からの提案やキャリアパスプランを魅力的に感じない人も多々います。この急速な変化に付いていけないと、人材紹介会社を辞める社員もいるのです。
総じて1名の採用までには60%以上の条件に合致した人を100名程データ上で検討し、連絡を取って実際の候補者化が十数名、応募するのは5~6名という計算です。数年前まで乱立していた人材紹介会社に最近は新規参入が少ないのも、苦労するビジネスの証拠かもしれません。