全国最低賃金審議会は、11月末に最低賃金引き上げに関する交渉を再開させる見込みだが、2024年1月からの最低賃金引き上げには間に合わない可能性が出てきた。
10月17日の午後の記者会見で、労働関係・賃金局のトン・バン・ライ次長は、労働・傷病兵・社会省が政府に対して、最低賃金引き上げ案の提出時期を年末まで延期するよう提案したと述べた。予定では、11月末までかけて全国最低賃金審議会が最低賃金の引き上げ時期と引き上げ額を議論することになっている。
「第4四半期になってようやく審議会で最低賃金に関する議論が本格化し、その後政府に提案を出すため、2024年1月から最低賃金を引き上げることは出来ないでしょう」とライ次長は述べた。過去10年間で見れば最低賃金はほぼ毎年1月1日から引き上げられてきたが、2022年のみは7月1日からの引き上げとなっていた。
これまで最低賃金審議会は、年に2~3回の会議を実施して最低賃金案をまとめてきた。最低賃金の引き上げ時期と引き上げ額は通常3回目の会議で決定されることが多く、当事者間の合意が早急にまとまった場合は2回目の会議で決定されることもあった。
8月に実施された最初の会議で全国賃金評議会は、最低賃金の引き上げ交渉を年末まで延期することで合意した。延期の理由は、ベトナムの景気低迷によって50万人以上の労働者が失業したり、労働時間が減少しており、上半期の消費者物価指数(CPI)が前年比で3.29%上昇し、インフレ率が4.74%まで上昇したことにある。
ベトナム労働総同盟側は、最低賃金の約6%の引き上げを要求しており、これは最も低い地域Ⅳで19万5000VND、最も高い地域Ⅰで28万VNDの引き上げに相当する。一方で、ベトナム商工会議所側は、企業の受注量が減少しており、最低賃金の引き上げよりも雇用の維持に注力すべきだと主張した。
2023年上半期の労働者の生活状況に関する調査によれば、労働者の平均月収は788万VNDで、一世帯あたりの一か月の平均支出は1170万VNDとの結果が出た。つまり調査対象世帯では、月収は支出の約70%しか満たせていない。労働者の支出額は、電気代、水道代など値上げと物価上昇により2022年から19%も上昇している。
2022年7月1日に最低賃金は6%引き上げられ、地域ごとに18万VND~26万VND上昇した。具体的には地域Ⅰが468万VND、地域Ⅱが416万VND、地域Ⅲが364万VND、地域Ⅳが325万VNDとなっている。
出典:17/10/2023 VNEXPRESS
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