ベトナム統計総局によれば、世界的な経済低迷により多くの国が低成長に留まる中、2023年のベトナムの経済成長率は、目標の6.5%を下回る5.05%となった。
統計総局が12月29日の午前中に公表したデータによれば、2023年第4四半期の経済成長率(GDP)は、前年同期比6.72%の増加となった。この数字は、2012年と2013年、2020年から2022年までの第4四半期の成長率を上回っている。
これにより2023年全体の経済成長率は、前年比5.05%の増加となり、新型コロナの影響を受けた2021年と2020年の経済成長率を上回った。
統計総局のグエン・ティ・フーン局長は、世界経済が低迷し多くの国が低成長となっている厳しい情勢の中で、ベトナムが5.05%の経済成長率を達成したことは、前向きにとらえることが出来ると評価した。「毎四半期ごとに経済成長率が改善していったことは、ベトナムの努力の成果を表しています」とフーン局長は述べた。
この成長の勢いによって2023年末時点のベトナムの経済規模は4300億USDに達した。一人当たりのGDPは4,284USDとなり、昨年から160USD増加した。経済活動分野における労働生産性は、一人あたり8,380USDとなり、前年から274USD増加した。
インフレ率に関しては、第4四半期の平均CPI上昇率が前年同期比3.54%の上昇となった。全体で見れば2023年のインフレ率は3.25%に留まっており、国会が設定した4.5%未満という目標をクリアした。
サービス業は依然としてベトナム経済の付加価値に最も貢献している業種であり、62%以上を占めている。統計総局によれば、販売業や観光業は成長を維持しており、サービス業の成長に大きく貢献している。これにより2023年のサービス業の成長率は6.82%以上となり、2020年と2021年を上回った。
一方で世界的な需要減少により、製造業と建設業は引き続き多くの困難に直面している。工業分野の成長率は僅か3.02%で、特に製造・加工業は、過去13年間で最低の3.62%に留まった。
2023年の輸出入総額は、世界的な需要減少を背景に取り組んだ新たな市場開拓や貿易促進に向けた様々な努力により、前年から6.6%減少したものの6930億USDに達することができ、貿易収支は280USDの黒字となった。
これより前の12月27日の午後に開かれた財政総括会議でレー・ミン・カイ副首相は、かつてないほどの外部からの影響と国内的な問題により2023年のベトナムの経済成長率は、約5%程度と見込まれると述べた。ベトナム政府はこれまでのところ、経済成長の促進、マクロ経済の安定、インフレの抑制、経済バランスの確保を優先的に実施してきた。
出典:29/12/2023 VNEXPRESS提供
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