ドイツのフランク=ヴァルター・シュタインマイヤー大統領は、ハノイでファン・ミン・チン首相と会談し、ドイツの労働力不足を改善するため、ベトナム人労働者へドイツでの就労の機会を与えていきたいと述べた。
1月24日、政府官邸でドイツのシュタインマイヤー大統領と会談をおこなったファン・ミン・チン首相は、ベトナムは地域社会と国際社会におけるドイツの役割と立場を常に重視しており、両国関係をあらゆる分野でさらに深化させたいと述べた。
両首脳は、ベトナム-ドイツ大学やドイツハウスなど効率的に運営されている象徴的な協力プロジェクトを高く評価し、質の高い人材育成への協力を促進し、職業訓練における協力メカニズムの強化について合意した。シュタインマイヤー大統領は、早期にベトナム人労働者がドイツで働けるようになり、ドイツの労働力不足が解消されることを期待すると述べた。
ドイツは、労働力不足を克服するために海外から優秀な移民労働者を受け入れようとしている。ドイツ経済研究所(IW)のレポートによれば、ドイツは高齢化が進む中、新たな経済分野で人材需要が増加しており、2030年までに500万人以上の労働力が不足すると予測されている。
ドイツ連邦雇用庁とドイツ商工会議所は、IT、電気-電子、レストラン、ホテル、調理などの分野で高い専門性を持ちドイツでの就労を希望するベトナム人労働者を無料でサポートするための”Hand in Hand for International Talents”プロジェクトを試験的に立ち上げている。
シュタインマイヤー大統領はまた、ドイツ国内のベトナム人コミュニティを高く評価し、このコミュニティは両国関係における貴重な財産になると述べた。
ファン・ミン・チン首相は、ベトナムは、デジタル経済とデジタルトランスフォーメーション、グリーン成長、経済成長循環を優先し、科学技術とイノベーションを促進し、制度を改善し、インフラ、人的資源を開発し、革新的な成長モデルに関連した経済を再構築し、気候変動に対して責任ある取り組みをおこなうとして、ドイツの支援を求めた。
両首脳はまた、国連、ASEAN-ドイツ、ASEAN-EUなどの枠組みの中で相互に連携し、支援し合うことで合意した。
両国はエネルギー、鉄道、医療設備、医薬品、インフラなどドイツ企業の強みが活かせる分野でのベトナムへの投資をさらに奨励することで合意した。
チン首相は、ドイツが早期にベトナム-EU投資保護協定(EVIPA)を批准し、ドイツも参加している公正なエネルギー移行パートナーシップ(JETP)の枠組みを効率的に実現するために引き続き協力し合い、ドイツの資金提供しているインフラ開発、再生可能エネルギーなどの分野で開発協力プロジェクトの実施を調整することを提案した。
ファン・ミン・チン首相とシュタインマイヤー大統領は、国際法と1982年の海洋法に関する国際条約(UNCLOS)に基づき南シナ海における航行と航空の自由を支持し、国際法に基づき南シナ海の安定と平和を維持し、平和的手段によって紛争を解決することの重要性を強調した。
シュタインマイヤー大統領は夫妻は、ボー・バン・トゥーン国家主席の招待を受けて1月23日からベトナムを公式訪問した。
ベトナムとドイツは2011年に戦略的パートナーシップを締結しており、ドイツはベトナムにとってEUで最大の貿易相手国であり、ベトナムのEU向け輸出の20%近くを占めており、ベトナム製品をEU各国の市場へ輸送するための重要な中継地点でもある。2023年の両国の貿易総額は110億USD以上となっている。
現在、350社以上のドイツ企業が444件の投資プロジェクトをベトナムで展開しており、総投資額は23.6億USDで、ベトナムに投資している143ヶ国中第18位、EUでは第4位となっている。ベトナム企業は11件のプロジェクトでドイツに投資しており、総投資額は3095万USDとなっている。
ドイツはベトナムに大規模かつ定期的なODA支援を提供している国の1つであり、1990年から現在までに総額20億USD以上のODA支援をおこなっている。
出典:01/24/2024 VNEXPRESS提供
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