ベトナム政府は、個人が不動産を購入するための海外送金を認めていない。そのため、数百億から数千億VNDが海外に規制を回避して送金されている。
様々な方法での「海外送金」
ベトナムから海外への個人送金は、ほとんどが地下送金となっている。しかし、この問題について多くの海外投資コンサルティング会社は、あまり口を開きたがらない。顧客は通常、コンサルティング契約に署名して1万〜2万USDの手数料を支払った後で、次のステップを指示される。
ホーチミン市7区在住のAさんは、ポルトガルの不動産投資に38万ユーロを支払った。
Aさんはコンサルティング会社により、まず妻と共にポルトガル旅行に行くようにアドバイスされた。そこで彼はポルトガルの弁護士と面会し、ポルトガルの銀行で個人口座を開くように指示された。
その後、妻のベトナム国内の銀行口座から、旅費という名目でポルトガルの口座に送金を行う。続けて子供たち、両親、そして義理の両親も許可された限度内で送金を行った。
親族がいくらまで海外送金を許可されているかは明確ではないが、Aさんは合計で20万ユーロ(56億VND以上)を2000ユーロ未満の手数料で送金できた。
結局、Aさんは送金から24時間で自身のポルトガルにある銀行口座に送金が完了したことを確認できた。送金完了前にAさんはポルトガルの弁護士に対して、不動産購入手続きを完了させるための委任状を作成しており、残りの資金は手続きの進捗状況に応じて何度かに分けて支払った。
米国へのEB-5投資永住権プログラムを実施したBさんの場合、コンサルタントによって、ベトナム企業とアメリカのパートナー企業との輸出契約に基づいて送金を行った。そして、パートナー企業が90万USDを現地の投資口座に振り込んだ。これらの手続きは全てベトナムの仲介業者を通じて行われ、Bさんは手数料として仲介業者に2%を支払った。
ハンガリーの在留カードを申請するための海外送金についてCさんは、次のように述べた。
「送金は非常に簡単で、何の問題もなくできた。ベトナム国内の企業口座に必要な額を振り込んだら、後は全部、向こうが処理しれてくれるからね」
ハンガリーの在留カード取得ルールに従い、Cさんの家族はハンガリーで22万5000ユーロ(約63億VND)相当のアパートを購入した。
この金額をCさんが国内のコンサルティング会社の要請で国内の銀行口座に振り込むと、すぐに海外の口座に入金された。Cさんは語る。
「コンサルティング会社が具体的にどのような方法を取ったのかはわかりません。ただ、私の知る限り、ヨーロッパにはベトナム人のコミュニティがたくさんあります。ベトナムでお金を受け取った後、外国側が私の海外口座に入金したんじゃないでしょうか。向こうの銀行は出資証明を要求してこなかったので、私は特に書類を提供していません」