ベトナムGDP、15年ぶりの高成長7.52%達成─けん引役は観光・FDI・建設
2025年上半期、ベトナムの国内総生産(GDP)成長率が前年同期比7.52%増となり、過去15年で最も高い水準となった。世界経済が不透明さを増す中での記録的成長を支えたのは、観光業の復活、外国直接投資(FDI)の急増、建設分野の拡大などである。
統計総局によれば、観光、輸出、運輸の伸長が全体の成長に8.14%の付加価値をもたらした。中でも観光業は、2025年上半期に約1,070万人の外国人観光客がベトナムを訪れており、前年比20.7%増という記録的な増加となった。さらには内需市場との相乗効果で、関連サービスの需要も急伸した。
建設業も過去最高の9.6%成長を記録し、GDP全体の42%を占めるまでに拡大した。さらに、新規設立企業数は2万4000社を超え、過去最多を更新した。FDIの登録額は215億1,000万USDに達し、前年同期比で32%以上増加した。これらの投資は、全国各地で進行中のインフラ、大型不動産開発、製造業プロジェクトなどに反映されている。
経済専門家らは、この成長の背景に「大胆な制度改革と行政手続きの簡素化」があると分析する。行政支援サービスは前年同期比約15%成長し、体制刷新の成果が徐々に数字に表れ始めたとみられる。
一方、下半期の成長目標である8.42%達成には課題も多い。公共投資の進捗が地域によってばらつきがあるほか、輸出の減速や世界的な地政学リスクが不安要因だ。経済専門家らは、「改革効果にはタイムラグがあるため、成長継続には民間部門への権限移譲と迅速な政策実行が鍵になる」と指摘している。
それでも、投資環境の改善と外交柔軟性の評価により、ベトナムは引き続き投資先として注目を集めており、建設・観光・民間投資が成長ドライバーとして重要な役割を担う見通しだ。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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