ホーチミン市では8月上旬から公共の場でマスクを着用していない場合に罰金が科されることになったが、この規定をさらに厳格化することが予定されている。
イギリスやフランスでも厳しい罰則
ホーチミン市商工局によると、8月上旬から8月末までにマスク着用に関して7420件近くが警告を受け、3769件が罰金の対象となった。罰金額は議定176/2013号により10万~30万VNDとされた。
一方、ベトナム以外でも多くのヨーロッパ諸国、アメリカ、オーストラリア、韓国などの国が公共の場でマスクを着用していない行為に対して罰金を設けている。
例えば、フランス政府はCOVID-19感染拡大防止のため、これまでの公共交通機関、博物館、公園などでのマスク着用義務化に加えて、7月20日以降はショッピングセンターやスーパーマーケットなど屋内の公共施設でも義務化。違反した場合は135ユーロ(1万6000円)の罰金を科すことを決めた。さらに2回違反した場合は、罰金額を2倍にすることも決定している。
イギリスでも同様の規定があり、公共の場でマスクを着用していない場合には200ポンド(約2万7000円)の罰金が科せられる。その後は違反を繰り返すたびに罰金額が倍増していき、罰金額は最大で6400ポンド(87万5000円)に達する。
その他にスコットランド、スペイン、ドイツ、イタリアなどヨーロッパの他の国でもマスクの着用が義務付けられており、韓国も11月13日から公共の場や公共交通機関でマスクを着用していない場合や、着用の仕方が正しくない場合は、最大10万ウォン(約9000円)の罰金を科すとしている。
ホーチミン市ではマスクを忘れる人が増加
ホーチミン市でのマスク着用はどうなっているだろうか? 10月22日の夕方に10区の大型スーパーの前で確認したところ、店に入る30人中3人がマスクをしていなかった。
また、スーパーマーケットの中に入ると、マスクは着用しているが鼻がはみ出ている人の姿も何人か見られた。
同様に10月23日昼に1区のショッピンモールで観察したところ、ほとんどの客がマスクをしておらず、1階にある化粧品売場などの販売員もマスクをした人もしていない人もいるといった状態で、中にはマスクを顎に引っ掛けるだけの人もいた。
ホーチミン市の4つの大通りが交差するエリアにある10区の病院の前では、病院に通う人、病院前で客待ちをするバイクタクシーや露天商など多くの人が集まっていたが、マスクをしていない人が10~15%程度の割合で見られた。
ベトナムがCOVID-19の第2波に見舞われた7月末と比較すると、一部の人々は世界中でまだCOVID-19が猛威を振るっていることを忘れてしまったかのように見える。
COVID-19は過去のものと考え、多くの人が集まる場所でさえ、マスクを着用しない人が増えている。
罰金の高額化を支持する
9月24日にグエン・スアン・フック首相は、COVID-19のクラスターが発生する環境が依然として残っているとして、各地方の省に対して、感染拡大予防措置を遵守するよう要請した。
ブー・ドゥック・ダム副首相も、マスクの着用は世界中の専門家が最も簡単で効果的な感染予防対策だと認めているとして、国民にマスクの着用を求めた。
このような状況を受け、ホーチミン市人民委員会も10月8日に引き続き公共の場所や、公共交通機関でのマスクの着用、手洗い・消毒の励行、公共の場所での大人数の集会の制限などの感染拡大防止対策の実施を求める文書を発行し、違反者は厳重に処分するとしている。
マスク着用に対する人々の意識を改革するため、ホーチミン市1区の一部の道路では、今後マスクを着用していない人に対する監視が強化されるとの情報がある。
新たな罰金の300万VNDは従来の罰金の10倍の額だが、人々のマスク着用の意識が低下している中では、効果的な施策であると言わざるをえない。
出典:24/10/2020 THANHNIEN
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