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【経済】月収8,000万ドン超への35%課税は「高すぎる」

ベトナムのスーパーで買物する人
(C)THANH NIEN

財務省の個人所得税見直し案に専門家が異議

ベトナム財務省は、現在適用されている個人所得税(PIT)の累進課税制度の見直しに向け、税率構造を7段階から5段階に簡素化する2つの案を提示した。ただし、最高税率35%は維持されており、多くの専門家から批判の声が上がっている。

現行制度では「月収8,000万ドン超」に35%課税

現行の個人所得税法では、労働所得に対して7段階の累進課税率(5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%)が適用されており、月収が8,000万ドン(約45万円)を超える部分に対しては、最高税率35%が課される。

これに対し、ハノイ経済技術大学の税務専門家グエン・ゴック・トゥ氏は、「月収8,000万ドンで35%課税は過剰であり、課税基準は少なくとも倍の1億6,000万ドン(約90万円)以上に引き上げるべきだ」と強調した。

インフレとの乖離が深刻:2009年の水準に据え置き

2009年に導入された現行税制では、当時の8,000万ドンは約5,000米ドル相当で、ベトナムでは極めて高額所得者に限られる水準だった。しかし現在では、その金額は約3,000米USD相当にまで下がり、対象者が大幅に増加している。

フルブライト・ベトナム公共政策大学のドー・ティエン・アイン・トゥアン博士は「インフレ率に照らせば、課税開始額を少なくとも2.15倍に見直す必要がある」と述べ、例えば第1課税段階(0〜500万ドン)も「1,075万ドン」に引き上げるべきだと主張している。

専門家らが提案する改善案

ベトナム税務諮問協会の常任委員グエン・バン・ドゥオック氏は、7段階から5段階への簡素化には賛同しつつも、最高税率35%は高すぎるとし、30%以下への引き下げを提案している。これはとくに都市部の優秀な人材の流出防止に資するとドゥオック氏は指摘する。

また、段階間の差を調整し、第1・第2段階に該当する低・中所得者の負担を軽減することも重要だと述べている。

見直しは必要不可欠

グエン・ゴック・トゥ氏は、「個人所得税の税率構造そのものに抜本的な改革が必要だ。課税の公平性と労働意欲への影響を考慮しなければならない」と強く訴えた。

今回の意見募集プロセスを通じて、より現実的で合理的な個人所得税の制度改正が期待されている。

※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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