200km搬送で2100万VND(約12万円)請求
バクニン省の総合病院で、患者搬送に2100万VND(約12万円)を請求した事件に関し、同病院は関与した職員3人に対する処分を発表した。契約職員2人は解雇となり、公務員1人に対しては懲戒処分が下された。
事件の経緯
病院の報告によると、8月19日、契約運転手のブー・バン・ザップ氏と、集中治療科所属の契約看護師グエン・バン・タン氏が、ともに休暇中であったにもかかわらず私的に連絡を取り合い、病院の救急車ではなくザップ氏の私有車を使って、患者をバクニン省の総合病院から患者の実家があるタイグエン省まで約200㎞搬送した。
その際、当直責任者だった看護師グエン・ティ・ティウ氏が、患者の家族に対して輸送費を「職員サポート費用」として200万VND程度だと説明していた。
しかし実際には、運転手のザップ氏は、総額2100万VNDを患者家族から徴収していた。そのうち400万VNDを同行したタン氏に渡し、残りの1700万VNDは自分で保持した。その後、批判の高まりを受けてザップ氏は1600万VNDを患者家族に返金した。
病院の処分内容
9月5日、病院は懲戒委員会の議決を受け、以下の処分を決定した。
- 運転手ブー・バン・ザップ氏:不当な高額請求により解雇
- 看護師グエン・バン・タン氏:合意額を超える費用を受け取ったため解雇
- 看護師グエン・ティ・ティウ氏:業務規定違反および不適切な費用交渉により警告処分
病院は「これらの行為は社会的に大きな影響を与え、病院の信頼を損なった」として厳正な処分に踏み切った。
市民の告発がきっかけに
事件は8月26日、タイグエン省のグエン・アイン・トゥエットさんがSNSに投稿したことで明らかになった。トゥエットさんは「父をバクニン省の病院から自宅へ搬送するために2100万VNDを請求された」と告発。費用明細として「医師同行分400万VNDを含む2200万VNDだが、家計事情を考慮して2100万VNDに割引したと説明された」と述べた。
この投稿は大きな波紋を呼び、報道機関や市民の関心を集めた。のちに運転手は1600万VNDを返金し、そのうち100万VNDを香典として添えていた。
信頼回復へ
病院は「今回の処分は規律を守り、患者と市民の信頼を回復するため」と強調し、今後は医療倫理と職業倫理の教育を強化する方針を示した。また、引き続き関係部署の責任を検証するとしている。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
ベトナム進出支援LAI VIEN