ホーチミン市党委員会代表団が、国内で唯一の専門工業団地「フーミー3特別工業団地」(ベトナム政府が承認した唯一の“専門型”工業団地)を訪問し、投資状況や環境対策について視察を行った。
政府承認から10年、沼地から国際基準の工業団地へ
10月12日午後、第1回ホーチミン市党委員会大会代表団(団長:グエン・バン・トー副主席)は、旧バリア・ブンタウ省タンフオック街区にあるフーミー3特別工業団地を訪問した。
同団地を開発・運営するタンビン・フーミー株式会社(Thanh Bình Phú Mỹ)のグエン・ティ・タオ・ニー会長兼CEOは、次のように説明した。
「フーミー3特別工業団地は、2014年9月に政府が設立を承認した、国内唯一の特別工業団地であり、エコ・インダストリアルパーク(EIP)や循環型経済を指向したモデル地区です。10年以上にわたり、塩性湿地だった地域を近代的で国際基準のインフラを備えた工業団地へと変革しました」。
同団地では、電力・水道・通信・天然ガス・産業ガスなどのインフラが工場敷地の外周まで整備されており、多国籍企業による大型投資や先進技術導入を可能にしている。
総投資額60億ドル超、2027年には70億ドル見込み
現在までに、フーミー3特別工業団地には約60億ドル(約9,000億円)の投資が集まっており、2027年までには70億ドル超に達する見通しである。
賃貸工業用地1ヘクタールあたりの投資効率は1,000万ドルにのぼるという。
国内初の「エコ工業団地」認定を申請中
同団地は現在、ベトナム初のエコ工業団地としての認定申請を提出しており、審査を待っている段階である。
ニー会長は「重工業や化学工業、基礎素材産業を中心とする工業団地でエコ化を実現するのは容易ではありません。それでも私たちは持続可能な発展を目指し、ホーチミン市の産業モデルとして貢献していきます」と語った。
市副主席「クリーンでグリーンな産業構造を評価」
視察を終えたグエン・バン・トー副主席は、「フーミー3特別工業団地は大企業誘致や土地利用効率の高さに加え、クリーンで環境に優しい産業構造を実現している」と評価した。今後についても「企業選定において、グリーン経済・循環経済・シェアリング経済・デジタル経済といった都市の発展方針に沿うよう努めてほしい」と要請した。
ジェマリンク港も視察、世界最大級のコンテナ船が寄港
同日午前、代表団はジェマリンク港(Gemalink)も訪問した。
ジェマリンクは、カイメップ・チーバイ深海港群の一角に位置するジェマデプト(Gemadept)グループ傘下の港湾・物流拠点である。
世界でわずか19港しかない、25万トン級・2万4,000TEUのコンテナ船を受け入れ可能な港のひとつであり、2024年には第1期だけで525航海・175万TEUの取扱量を記録した。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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