上級顧客向けに空港体験を一新、タイへの展開も視野
ベトナム航空(Vietnam Airlines)は10月15日、ホーチミン市タンソンニャット国際空港ターミナル3において、ベトナム初となる搭乗手続きを専用の個室空間で行う「チェックイン・ラウンジ」の運用を正式に開始した。
同サービスは、同社の上級会員やビジネスクラス利用客などを対象に、従来のチェックインカウンターとは異なる特別な空間で搭乗手続きを行える新たな試みである。
5つ星水準の「専用空間」で搭乗手続きを
ベトナム航空のファン・アイン・トゥアン副社長によると、チェックイン・ラウンジは「5つ星航空会社」を目指す同社のサービス改革戦略の第一歩と位置付けられている。
対象は、VIP、重要法人顧客、プラチナ会員、そしてビジネスクラス利用客などとなっている。
ラウンジは公共エリアから完全に独立した造りで、静かで落ち着いた雰囲気の中、専任スタッフが手荷物預けから搭乗券発行までを一括サポートする。
チェックインのための待ち時間が不要となり、出発前のひとときをゆったりと過ごせるのが特徴だ。
高級感あるデザインと快適な導線
タンソンニャット空港ターミナル3に設けられたチェックイン・ラウンジは、約270平方メートルの広さを持ち、6つの専用カウンターと約40席を備える。
内装は国際的な高級ホテルを思わせるデザインで、明るく開放的な空間となっている。
搭乗手続き中も座席でくつろげるほか、スタッフによる細やかなサービスが提供される。
ファン・アイン・トゥアン副社長は、「お客様の旅は空港に着いた瞬間から始まる。チェックイン・ラウンジが快適な空の旅の入り口となることを願っている」と述べた。
ハノイ、ダナン、フーコック、そしてタイへ拡大予定
ベトナム航空関係者によると、同社は今後ハノイ(ノイバイ)、ダナン、フーコックの各空港でも同様のチェックイン・ラウンジを順次展開予定である。
さらに、子会社であるナスコ(NASCO)がタイでの運営を検討しており、国際展開への布石ともなる。
同社はすでに主要空港で「ロータスラウンジ」を運営しており、今回の新サービス導入によって、地上サービスから機内体験まで一貫したプレミアム体験を提供する狙いがある。
空港で広がる「プレミアム体験」競争
現在、ベトナムの航空市場では、空港ラウンジや地上サービスをめぐる競争が激化している。ベトナム航空のほか、バンブー航空もビジネスクラス向けラウンジを運営している。一方で、ベトジェットエアやベトラベルエアラインはSASCOやNASCOなどのサービス企業と連携し、高額チケット購入者向けの優待を拡充している。
また、近年ではVietcombank、SHB、VPBank、Nam Á Bankなど金融機関も空港に専用ラウンジを設置するなど、「空港での高級体験」が新たな競争軸となっている。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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