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【社会】ドンナイ省の野生ゾウ、活動範囲が拡大

ドンナイ省でゾウの群れと遭遇したバイク

森林保護区外にも出没──夜間・果樹期に民家近くで目撃

ドンナイ省農業・環境局によると、同省内で確認される野生ゾウの活動範囲がこれまでより広がり、人との接触地点も増えていることがわかった。ただし、被害件数や被害面積は減少傾向にあるという。

2024年から2025年上半期にかけて、当局はゾウの群れが主に「ドンナイ文化・自然保護区」、および「カッティエン国立公園」の自然林地域で活動していることを確認した。これらはいずれもドンナイ省のチーアン、フーリー、タインソン、ターライ、ダックルアといったコミューン内に位置している。

ゾウが出没する季節と場所

夜間・果物シーズンに民家近くへ

ゾウが人の居住地に現れるのは、主に果樹の実る季節の夜間である。
具体的には、チーアンおよびフーリーでは毎年1~3月、5~7月、9~11月に出没しやすくなる。最近でも旧マーダー地区(現在はチーアンに編入)の村やフーリー地区の村でゾウが目撃されている。
またタインソンでは、1~2月および5~12月にかけて、出没情報が多くなる。

群れの規模は1~10頭程度で、そのうち1頭が電気柵を倒して人の耕作地に侵入する例も確認されている。最近では約6頭の群れが電気柵の外側(トリアン地域)にまで移動し、以前は立ち入らなかった場所に出没するようになったという。

電気柵整備で被害は減少傾向に

ゾウとの「共存」へ向けた模索続く

ドンナイ省農業・環境局の報告では、ゾウと人との「衝突」が起きる地点は増えている一方で、被害件数や面積は減っているという。特に電気柵の第2期区間が整備され、第1期区間と接続されたことが被害抑制に寄与したとみられる。

当局は、「電気柵は一定の効果を発揮しており、今後も維持管理と修繕を続ける必要がある」と指摘。また、被害を受けた住民への補償が迅速で、住民がゾウを追い払おうとしない地域では、衝突が少ない傾向も確認されたという。

現在、ゾウ出没地域の各コミューンでは「現場対応チーム」を設立し、ゾウの誘導や住民支援を行う体制づくりが進められている。さらに林業局や国際動物福祉団体と連携し、専門的な訓練も行う計画だ。

ベトナム第2の野生ゾウ群

子ゾウも確認される好兆候

ドンナイ省には現在、25〜27頭規模の野生ゾウ群が生息しており、ベトナム国内で第2の規模を誇る。近年は子ゾウの存在も確認されており、群れの再生が順調に進んでいることを示す「明るい兆し」となっている。

ただし、国内外の専門家によれば、ゾウと人との衝突を完全に防ぐ成功例は世界的にも存在しない。単一の解決策ではなく、複合的な取り組みを通じて、ゾウの保全と地域住民の共存を目指すことが必要だと指摘されている。

※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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