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【社会】ベトナムは農産物を多く輸入しているが懸念すべきか?

ベトナムの漁師
(C)THANH NIEN

ベトナムの農林水産物の輸出額は力強く成長している一方で、ベトナムは多くの国の加工食品原材料を大量に消費する市場ともなっている。この状況は喜ばしいことなのか、それとも懸念すべきことなのか。

数十億USD規模の原料輸入

ベトナムは世界有数の水産加工・輸出国であり、今年の水産物輸出額は105億USDに達する見込みである。しかし、この10カ月間だけで、企業は水産物の原料輸入に約30億USDを支出しており、前年同期比で30%以上増加し、過去最高を更新した。

ベトナムの農業・環境省によると、水産物加工原材料の輸入先はインド(15%)、インドネシア(14.2%)、ノルウェー(10.7%)が中心であり、いずれも前年より大幅に増えている。

主力輸出品も輸入量が増加

水産物だけでなく、コーヒー、米、胡椒、乾燥ココナツなど、ベトナムの主要輸出品ですら輸入量が増えている。

たとえば世界最大の胡椒輸出国であるベトナムは、今年1〜10月で3万7,783トン(2億3,690万USD)の胡椒を輸入しており、過去最高を記録した。輸入量は前年同期比25.3%増で、2023年同期比では67.9%増となっている。主要供給国はブラジル、カンボジア、インドネシアである。

米についても、世界有数の輸出国であるにもかかわらず、年初から多くの月で150万USD超を輸入している。
また、果実・野菜分野では、国内原料が不足し価格が高騰しているため、加工企業は乾燥ココナツ原料の輸入に約4,000万USDを投じている。

企業「輸入して加工し輸出するのは以前からの慣行」

ドンタップ省の水産加工企業の代表は、輸入原料を加工し再輸出するのは長年続く一般的な方法であると説明する。特に近年はベトナムが世界の水産物供給地の重要性を増すとともに輸入量が増加している。

一方、1億人超の人口を抱える国内市場でも水産物の需要が大きく、輸入品は魅力的な商品源となっている。
同社は日本向けに魚やすり身を輸出する一方、国内販売用にカキやホタテなどを輸入している。輸送コンテナの有効活用や市場間取引のバランスという利点もあると説明する。

国内原料は不安定、輸入は生産を維持するための選択

ベトナム水産加工・輸出協会(VASEP)によると、国内には600以上の輸出向け水産加工工場があるが、特にエビ、海水魚、高級水産物の国内原料は季節による不安定さが大きい。

そのため企業は、注文量に対応し工場稼働率を維持するために、輸入原料を併用している。
インド産のエビ原料は国内より10~15%安く、低価格帯の注文に対応する選択肢となる。
インドネシアはマグロ・イカなどの遠洋魚、ノルウェーはサーモン等の高級水産物を供給している。

「輸入して輸出する」戦略が形成する新しい商流

ベトナム食糧協会(VFA)によれば、米輸入は国内不足が理由ではない。消費者向け食品加工(フォー、ブン、バインチャンクなど)に必要な、安価でデンプン量の多い原料米を確保するためであり、カンボジア・インドからの輸入が増えている。

VFAは「輸入して輸出する」戦略が柔軟な商流を形成し、企業が大規模注文に対応できるようになるメリットを指摘する。
ベトナム企業は単なる輸出者ではなく、国際商取引のプレイヤーとしての役割を強めているのだ。

輸入依存リスクは「一部分野のみで起こりうる」

原料輸入依存が価格操作を受けるリスクにつながるのではないかという懸念について、複数の業界団体や企業は「可能性はあるが限定的」と分析する。

ココナツ協会の代表は、国内価格高騰期には輸入で工場稼働を維持し、価格が落ち着けば国内調達に戻るという循環は合理的だと述べる。

コーヒー輸出企業も、輸入は「依存」ではなく「市場を理解した能動的な選択」であり、国内原料の比率が高い限り問題ではないと強調する。

胡椒の輸入急増についても、国内収穫量の減少、世界的な価格上昇、再輸出需要増が理由であり、競争力のある供給国から仕入れる世界的な戦略だと業界団体は説明している。

※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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