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【経済】ベトナム、世界の新たな貿易大国に台頭

港湾でのコンテナ積込作業
(C)THANH NIEN

2025年に輸出入9000億ドル超、2026年には1兆ドル到達も

ベトナムは、2025年に初めて輸出入総額が9000億USDを超え、2026年には1兆USDに達する可能性がある。

世界の貿易大国トップ15入り

ベトナム税関総局によると、11月15日時点でベトナムの輸出入総額は8010億USDとなり、前年比17.2%(約1200億USD)増加した。この数字により、ベトナムは正式に世界の貿易総額ランキングのトップ15入りを果たした。
この勢いが続けば、2025年の貿易総額は9000〜9200億USDに達する見通しである。

当初、商工省は2025年の年間総額を8000億USDと予測していたが、11月中旬の時点で既にこの数値を上回った。

水産業が貿易成長の牽引役に

米国の複数の税制措置を受けながらも反転

2025年初頭、水産加工・輸出業は、米国の相互関税引き上げ、アンチダンピング税、補助金税などの大きな圧力を受け、多くの企業が「息ができない」「諦めたい」と述べるほどの苦境にあった。

VASEP(ベトナム水産加工輸出協会)は、米国の相互関税率が10%超で維持されれば、2025年の水産輸出額は90億USDに満たないと懸念していた。しかし、10月までの実績では95億USDとなり、前年同期比15%増となった。
現在の成長ペースでは、2025年通年で110億USDに達する見込みである。

市場転換と高付加価値化が奏功

VASEPのグエン・ホアイ・ナム事務局長は、米国市場の関税政策ショックにもかかわらず、企業が「決して諦めない」姿勢で迅速に立て直した結果だと説明する。

水産輸出加工企業の主な対策は以下の2点である。

  1. 市場シフト(特に中国)
     10月までに対中輸出は32%増、20億USDに達し、同国はベトナム最大の水産輸入国となった。
  2. 加工度の高い製品開発
     上乗せ価値を生む 魚のすり身、イカ、タコ、ワタリガニ、ティラピアなど新製品を拡大。

その結果、日本、EU、韓国、FTA締結国でも堅調に成長した。

農産品輸出も急回復、過去最高を更新

野菜・果物は6ヶ月連続の不振から一転

野菜・果物輸出は2025年上半期に大幅減少が続いたが、その後急回復し、11ヶ月で78億USDを達成。前年より6億USD増と過去最高を記録した。

ベトナム野菜・果物協会(VINAFRUIT)のダン・フック・グエン事務局長によると、主力の中国市場だけでなく、米国、韓国、日本、オランダ、ASEANでも大幅増
が見られたという。
2025年通年では85億USDに達すると見込まれ、2026年には100億USD突破を目標にしている。

貿易大国としての地位強化へ

課題:品質向上・ブランド構築・加工深化

野菜・果物産業は今後、

  • 品質の均一化、
  • ベトナム産果物(特にドリアン)のブランド確立、
  • 生鮮依存を減らし加工食品比率を高める
    ことが必要とされる。

水産業は国際規制への対処が鍵

水産業は、

  • 米国の相互関税延長、
  • MMPA(海洋哺乳類保護法)、
  • IUU漁業問題のイエローカード
    など多くのリスクに直面しており、
    市場再編や加工技術投資が不可欠となる。

専門家:2026年はリスク増、在庫問題に警鐘

過度な在庫積み増しが潜在リスク

ホーチミン市経済大学・経営研究院のボー・スアン・ビン院長は、記録的な輸出入増加は喜ばしい一方、注意点もあると指摘する。

  1. 米国の相互関税がグローバル貿易に連鎖反応を起こし、企業が在庫を積み増していること
     → これがベトナムの貿易額急増に寄与した可能性。
  2. 世界景気の低迷で消費が伸びず、在庫過多リスクがあること
     → 欧米の年末商戦も見通しは不透明。

これらが2026年の大きなリスクになる可能性がある。

政府の役割:FTA促進と中小企業支援

ビン院長は、米国との税制交渉のさらなる改善、未締結のFTAの早期妥結、グリーン製品への転換に必要な資金支援が今後の政府の課題だと指摘した。

※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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