レアアースは国家的戦略資源と議員が指摘
12月1日午前、国会本会議で鉱物資源法改正案が審議され、ラムドン省選出のチン・ティ・トゥ・アイン議員がレアアースの重要性について意見を述べた。
同議員は、レアアースが半導体、電気自動車、防衛など多くの中核産業にとって戦略的資源であり、国家レベルで統一的に管理する必要があると強調した。
環境リスクの高さと過去の教訓を指摘
トゥ・アイン議員は、レアアースの選鉱・精製過程では自然放射性物質や重金属、処理困難な酸性液が発生すると説明。
さらに、多くの国が管理不十分なまま大規模採掘を行い、放射能汚染を残した事例があると指摘し、「これはベトナムが繰り返してはならない教訓である」と述べた。
同議員は、レアアースは戦略鉱物であると同時に「環境リスク係数の非常に大きい資源」であるとして、以下の対策を求めた。
- 技術安全基準の義務化
- クローズドサイクル型の処理技術
- 放射能拡散のモデリング
- 連続モニタリングシステム
- 国際基準に合致した汚泥処理
- 採掘後の即時環境回復
また、レアアース事業は長期プロジェクトで技術実証や深い環境評価が必要であることから、投資家に与える優先期間が短すぎると質の低い計画に陥り、精製や加工の体制が構築できず、原料採掘のみに逆戻りする懸念があると指摘した。そのため、技術力を持つ投資家を引きつける柔軟な仕組みの必要性を提言した。
資源環境大臣:レアアースは21の省・市に分布、世界第3位の埋蔵量
討論の最後に農業・環境省のチャン・ドゥック・タン大臣は、ベトナムのレアアース埋蔵量は世界第3位規模で、21の省と市に分布していると説明した。
農業・環境省は鉱区の基本的な選定を終え、厳格な管理を行っているという。
タン大臣は「現在、各省庁と協力し、レアアースの国家戦略を策定している。2026年初頭の政府提出・発行を目指す」と述べた。
鉱区選定が完了した後に重要となるのは、採掘と深加工をどのように進め、国益を最大化するかであると強調した。
深加工による価値創出を重視
タン大臣は、鉱物資源法改正案でレアアースに関する内容を独立した章として設けたことに触れ、戦略的鉱物としての位置づけを確認。「レアアースを国内の価値創出に結びつけ、粗素材の輸出を最小化する」と述べた。
非入札区域の設定基準を明確化
鉱物採掘権の入札を実施しない区域(非入札区域)の設定について、大臣は以下の目的を説明した。
- 重要・緊急性の高い国家プロジェクトへの安定した原料供給
- 精製・加工事業の投資家向けの安定調達
- 大規模投資や経済社会発展に寄与する事業への支援
非入札区域の設定では、関連省庁が協力し、市場需要、資源利用効率、投資家能力、環境影響、地域住民の生計など多角的に評価し、深加工型の国内バリューチェーン構築を確保する。
大臣は、こうした仕組みにより、政策悪用や不適切な区域指定による混乱を防ぎ、戦略鉱物管理の透明性を高めると説明した。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
ベトナム進出支援LAI VIEN



























