ベトナム航空(Vietnam Airlines)は、13兆VND(約764億円)の増資計画を完了し、保有機材を現在の2倍となる200機へ拡大する方針である。これにより、ベトナムの航空市場に新たな競争の熱が加わっている。
ベトナム民間航空局によると、2025年1月〜11月の旅客市場は6,900万人を超え、前年同期比約11%増となった。貨物は100万トンを超え、同18%以上の成長を記録した。
アジア太平洋が世界航空市場を牽引
ベトナム民間航空局のウオン・ビエット・ズン局長は、旅客需要の増加と国際航空協力の推進により、市場が引き続き好調であると説明した。
IATA、ボーイング、エアバスなど国際機関は、アジア太平洋地域が今後20年間で世界旅客輸送量の46%を占めると予測している。特にベトナムは世界有数の成長市場として期待されている。
成長の背景:政治的安定と中間層の拡大
ベトナム航空のダン・ゴック・ホア会長は、政治の安定性、活発な経済活動、今後10年の2ケタ成長目標が追い風になると強調した。さらに急速に増加する中間層の存在が、航空業界に持続的な需要をもたらすとしている。
2026年は業界成長の転換点に
2026年は航空業界の大きな転換点になると予測されている。国会がGDP成長率10%以上を承認したことに伴い、民間航空局は旅客9,500万人、貨物160万トンの輸送目標を掲げている(前年比13%・15%増)。
インフラ面でもロンタイン空港、ザービン空港、フーコック空港の拡張など、大規模整備が進む。
新規参入と再編が加速
市場には、ベトナム航空とベトジェットエア―(Vietjet Air)に加え、資金力を持つ新規航空会社「Sun Phu Quoc Airways」や、所有者交代中のVietravel Airlines、再編を進めるBamboo Airwaysなどが並ぶ。
Bamboo AirwaysはFLCグループに戻り、2026〜2030年の事業戦略を再構築中である。Vietravel Airlinesは年末までに完全な持株交代が進み、新機材の導入も予定する。
Sun Phu Quoc Airwaysは11月に運航を開始し、高級リゾート路線に特化する方針である。これら3社は現状のシェアは小さいものの、機材拡大とネットワーク強化を計画している。
「価格競争」から「品質競争」の時代へ
航空専門家によれば、各社が過度な値下げで顧客を奪い合う状況はすでに終わったという。特に主要路線では、航空券価格はコロナ前より大幅に上昇している。
今後も為替、燃油費、地政学的リスクなどにより、価格低下は難しいと見られる。
より高度でスマート、グリーンな競争へ
ベトナム航空のレ・ホン・ハー社長は、業界がより高度でスマート、そして「グリーン」な競争段階に突入したと述べた。ベトナム航空は2025年から最新機材の更新を進め、北米・欧州への国際路線拡大、デジタル化の深化を推進している。
2025〜2030年は各社が新機材を受領し、戦略路線を拡大する重要期間とされる。
ベトナム航空:2035年に「地域最大級」へ
同社は、国会決議174号に基づき、13兆VNDの増資(第2段階)を進め、資本基盤を強化する計画である。
2030年には旅客機材を150機(現在比50%増)へ、2035年には200機以上(現在の2倍)へ拡大し、東南アジアを代表するフルサービスキャリアを目指す。
また2026〜2030年には貨物専用機2〜5機の導入も計画している。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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